細部まで美しく再現された3Dの魚や海中生物がデスクトップ上を泳ぎ回る熱帯魚鑑賞ソフトの最新版。音と光の効果によって、これまでとはひと味違った世界を楽しむことができる。もはやお馴染みとなった「AQUAZONE ビジュアル・エディション 水中庭園」シリーズ。以前にも新着ソフトレビューで紹介しているように、海水魚や淡水魚、サメやシーラカンス、金魚にいたるまで、実にさまざまな魚たちが登場している。今回紹介する「QUAZONE ビジュアル・エディション 水中庭園プラス イリュージョン」では、水中の生物に焦点が当てられ、音と光という新たな要素が加わることで幻想的な世界が展開する。
登場するのはクラゲ5種類、発光メダカ2種類にホタルイカの計8種類。いずれも半透明の身体が特徴の生き物たちだ。用意された水槽は「プラネット水槽」「ブルーライト水槽」「メタボール水槽」という特別なもので、透き通った姿を美しく観賞するために黒基調となっている。宇宙空間を太陽や惑星とともにクラゲがただよう姿を見ていると、水槽を観賞しているというよりも、不思議空間に迷い込んでしまったような感覚になる。
これだけでも十分に幻想的なのだが、さらに「イリュージョン」の名をふさわしいものにしているのが「音」と「光」の効果だ。水槽内には音の鳴るオブジェクトが複数設置されていて、生き物たちが触れると美しい音色が鳴り響く。鳴らす音色は「オルゴール」や「チェレスタ」など24種類の楽器から自由に選択することができる。生き物たちはAIエンジンによって自由に動き回るため、音の鳴り方も決まったパターンではなく、無限の旋律を持つことになる。また、生き物をクリックすると色が変わったり発光したりする。発光オワンクラゲやカブトクラゲが光る様は、UFOか宇宙船が航行しているようにも見えておもしろい。
もちろん、視点変更やズームイン/アウト、追跡機能といった従来からの機能もそのまま備えており、水槽を叩いたり餌をあげたりすることもできる。スクリーンセーバとして利用することもできるし、背景画像を設定したり、画像効果を設定したりすることも可能だ。同シリーズの他のソフトを持っていれば、他の水槽でクラゲたちを泳がせられる。他のソフトの魚たちを「イリュージョン」の水槽で泳がせることも可能だ。
これまでのシリーズで培ってきた美しい3Dグラフィックに、音と光の幻想空間をプラスした「QUAZONE ビジュアル・エディション 水中庭園プラス イリュージョン」は、熱帯魚鑑賞ソフトという枠を越え、癒し系ソフトとしての新たな境地に挑戦した作品といえる。クラゲと聞くと抵抗があるかもしれないが、その美しさは百聞は一見にしかずである。疲れているときや、ぼーっとしたいときに、特にお勧めする。
(柴崎 ひろ)