かわいらしい3Dキャラクタ「海腹川背さん」が、画面上を所狭しと駆け回るスクリーンセーバ。画面の端で「おっとっと」とUターンしたり、川背さん同士がぶつかって跳ね返ったりする。そのたびに星を飛び散らせながらも一生懸命に走り続ける姿を見ていると、なんだか元気が湧いてくる。「海腹川背」という名前をご存じの方も多いだろう。スーパーファミコンやプレイステーションで発売されたアクションゲームで、ルアーの付いたゴム紐を使ってジャンプしたり、敵を捕まえたりする「ラバーリングアクション」と、主人公の女の子「海腹川背さん」のかわいらしさが話題を呼んだ作品だ。「A.P.S. vol.2 海腹川背さんセーバー」では、ランドセルを背負った川背さんが、デスクトップ上を元気いっぱいに走り回る。
ポイントのひとつに、走り回る川背さんのキャラクタを、生みの親である近藤敏信さんが手がけているという点が挙げられる。ReadMe.txtに記載されている著作権保有者「迷羊亭」は、「海腹川背」の“ほぼオフィシャルページ”となっている。すなわち、スクリーンセーバに登場するのは「本物」の川背さんで、同作品のファンにとってはうれしい限りだろう。
3Dでモデリングされたキャラクタの立体感や動きも魅力的。走るのに合わせて足が動き、髪やランドセルが揺れる。川背さん同士がぶつかって向きを変えたり、デスクトップの端に近づいてUターンしたりするが、これらのアクション時には星が飛び散るという効果が加えられている。また、デスクトップ上に川背さんの姿が黒く残ることがあるが、これは「魚拓」ならぬ「川拓」とのこと。釣りや魚がテーマの「海腹川背」ならではのおもしろいアイデアだ。
設定では、画面の明るさやキャラクタの数、飛び散る星の数を調整することが可能。数を増やすと負荷も大きくなり、環境によっては動作が重くなるかもしれないが、いろいろと変えてみるのも楽しいだろう。なお、「A.P.S.」は「Animetic Punichara Saver」の略称で、「海腹川背さんセーバー」のほか、シリーズ第一弾として「A.P.S. vol.1 うめこちゃんセーバー」が公開されている。こちらもあわせて楽しんでいただきたい。
「A.P.S.」はシリーズということなので、今後の展開も楽しみ。川背さんがラバーリングアクションで移動したりするといいなあ……とか、「どきどきポヤッチオ(海腹川背と同じく、近藤敏信さんが手がけたゲーム)」のキャラクタも登場するといいなあ……などと、勝手なことを思った筆者であった。元のゲームを知っている人はもちろん、そうでない人でも素直に楽しめるスクリーンセーバとして、オススメしたい作品だ。
(柴崎 ひろ)