キーボードなどを使って楽器演奏を楽しめるソフト。ネットワーク接続された複数台のマシンを使い、“仮想コンサート”を開催できるのが大きな特徴。「実に楽しいソフト」──「みんなのコンサート」を使ってみた筆者の第一印象がこれだ。起動すると、ステージ中央やや左側にリコーダを口にしたキャラが登場。シンプルなポリゴンで描かれた、愛嬌のある2頭身キャラだ。ユーザは、画面内のボタン、キーボードまたはMIDI規格に準拠したデバイスを使って、このキャラに演奏させることができる。
使える音は1オクターブ8音のド(低)からド(高)まで。画面内に表示された鍵盤状の8個のボタンやキーボードの【A】〜【F】/【J】〜【;】が各音に対応し、クリックやキー入力で演奏できる仕組み。キーボードの場合は和音も使える。8音しか出せないが、童謡「チューリップ」や「ドレミのうた」ならば、完璧な演奏を楽しめる! 適当に音を出したりするだけでも、もちろんそれなりに楽しい。音に合わせて、キャラが動いてくれるのもうれしい。
しかし、「みんなのコンサート」の醍醐味はソフト名の通り、“みんなでコンサート”を楽しめる点にある。ソフトは「ほすと」または「くらいあんと」のいずれかのモードで起動するようになっており、1台のホストマシンに、3台までのクライアントマシンを接続できる。他のマシンがホストに接続してくると、画面には新たに演奏者が登場(このあたりで筆者は、すでに結構わくわくしてしまう)。加わってくるパートはメタルフォン(鉄琴)、バイオリン、太鼓で、これにホストのリコーダを加えた4名が演奏者となって、コンサートを楽しめるのだ。
作者・藤木さんの言「音楽は、心情や情景を表現する世界共通の媒体であるように思える」は、まったくその通り。インターネットを介して、知っている者同士で、あるいは世界のどこかにいる見ず知らずの人とも演奏を楽しめる「みんなのコンサート」。ネットゲームをプレイするのもよいが、こうした“共同作業”を楽しめるソフトは、実にすばらしいと思う。ソフト作者のホームページでは、実際の演奏場面を撮ったデモムービーが用意されているので、興味を持たれた方は、まずはデモをご覧になられてはいかがだろう。
今後、もっと演奏者が増えたり、もう少し凝った動きができたりするようになると、より楽しくなるだろう。バージョンアップされることを切に願う次第だ。
(練馬 ベク蔵)