一年を通じてソフトレビューをした中から、今年は「モンタージュ 似太郎」をオススメしたいと思う。着想がおもしろくて、印象深かったこともあるが、密かに「実装されるといいな」と考えていた「画像取り込み〜イラスト化」機能がプラスされたことが、2004年のベストワンに選んだ理由だ。「モンタージュ 似太郎」では、顔のパーツの大きさや形、間隔を指定しながら、「モンタージュ風」に似顔絵イラストを作成できる。作成した似顔絵にめがねやひげを付け加えたり、ペンツールでシワやたるみを付けたりと、さまざまな変化を楽しめるようになっている。
パーツを組み合わせて似顔絵を作っていくため、イラストが苦手な人でも使えるし、パーティで友達が集まったときに遊んだりしてもおもしろそうだ。用意されたパーツは「顔立ち」「髪」「目」「鼻」「口」「めがね」など15種類。各パーツをドロップダウンメニューで選択し、「描画」ボタンを押すだけで、キャンパスにイラストが描画される。「おまかせ」で、パーツをランダムに組み合わせたイラストを描くこともできる。
顔パーツの数そのものも豊富だが、「目の位置」「目の間隔」「目と眉」「髪の位置」「口位置」「顔巾」などの配置を変えられることが「モンタージュ 似太郎」の特徴のひとつ。そのため、単にパーツを組み合わせた以上のバリエーションを生み出せる。自作のパーツを追加して使うこともできるので、自分なりのタッチでイラストを作ってみることも可能だ。
描画機能もあり、自動作成した似顔絵にペンツールで加筆したり、好みの補正を施したりといったことが簡単にできる。Undo/Redoで編集前後の状態にすぐに戻れるほか、「仮セーブ」機能で、仮セーブした時点にも戻せる。日付やコメントも書き込めるため、ちょっとしたイラストレターにも使えそうだ。作成した画像はBMP形式の画像ファイルで保存できるし、「モンタージュ 似太郎」から印刷することもできる。
現在のバージョンでは、画像ファイルを読み込んでイラスト化することも可能になった。BMP/JPEG形式の顔写真を読み込み、レートを変えながら2値化してくれる。処理を開始すると、写真の暗い部分から徐々に画像がキャンパスに現れてくるので、好きなポイントで「STOP」ボタンを押せば、モノクロの顔イラストのできあがりだ。使える画像は420×469までで、白バックのものが使いやすい。撮影条件などを調整すれば、顔の特徴がハッキリとでた画像が得られる。これをレタッチしたり下書きにしたりすることで、似顔絵作りが格段と楽になる。操作が簡単なわりに、効果的でおもしろい機能だと思う。
イラストというと敷居が高そうだが、「モンタージュ 似太郎」は簡単に楽しく似顔絵が作れるため、ユーザを選ばない。人の集まる機会が増える時期だし、みんなで遊ぶのにもよいと思う。使い方もやさしく、すぐに馴染める。まずは手にとって、使い心地を試していただきたい。