今年もいいソフトがたくさんあったが、いろいろ悩んだ末、ベストソフトとして「MoneyLook」を選んだ。銀行口座、証券口座、クレジットカードなど、インターネットでオンライン取引可能な情報を、ひとつのウィンドウでまとめて管理できる資産管理ソフトだ。市販ソフトでいえば、マイクロソフトの「Money」に近い機能を持つと考えればよい。証券口座は、比較的早くから株式オンライン取引サービスを開始していたが、最近では、銀行やクレジットカード会社も、残高照会や振込サービスをインターネット経由で提供するのが当たり前になってきた。こうしたサービスは特に、昼間は会社に拘束されがちな、一人暮らしのサラリーマンにとって非常にありがたいものだ。
だが、不便もある。こうしたオンライン口座は、銀行ごと、カード会社ごとにログイン方法や操作方法が異なっていたりするのだ。このため、複数の口座を持っている人は、いくつもの操作方法を覚えなければならない。この問題を解決してくれるのが「MoneyLook」だ。
「MoneyLook」の基本的な操作はこうだ。まずはじめに、利用したいオンライン口座の情報を「MoneyLook」に登録する。「MoneyLook」で管理できる口座の種類は非常に多い。貯蓄関連では主要都市銀行、地方銀行などに加え、郵便貯金にも対応する。貯蓄以外では、オンライン株式取引口座やクレジットカードの口座に対応する。
いずれの場合も、口座やカードの種類、証券会社を選択し、次にログインIDとパスワードを登録する。銀行のオンライン口座のように、ログインの際に「暗号表」を必要とするような場合には、暗号表データも合わせて入力する。これらの情報を登録すれば、「MoneyLook」は、登録された金融機関のWebページに自動でアクセスし、銀行口座であれば残高情報や取引明細などを、クレジットカード口座であれば、当月の利用明細や引き落とし金額の情報を、また証券口座であれば所有株式の時価評価額や現金、債権保有額等を自動的に取得してくれる。
取得した情報は、「MoneyLook」の一覧画面で表示される。この際の操作は、「MoneyLook」の操作性に従うため、異なる銀行の口座を複数所有していても、まったく同じ操作で残高確認等を行える。振り込みなど、銀行ごとに個別の操作が必要な場合には、実際に銀行のWeb画面にアクセスすることが必要となるが、この場合も「MoneyLook」のメイン画面からボタンをクリックするだけで、IDやパスワード、暗号表の入力までを自動的に行うことができる。ユーザが操作しなければならないのは、最後の振込操作の部分だけだ。
口座情報は、画面に表示されるほか、プリンタで印刷することも可能。また、Excel形式でファイル出力することも可能で、Excel上でデータ管理を行ったり、資産運用のシミュレーションを行ったりすることもできる。Excelを使わない場合でも、現金・証券・債権の比率をグラフ表示できるなど、簡単な分析機能を備えている。
オンライン取引は便利だが、操作が難しすぎると、どうしてもメインの口座以外はアクセスしなくなってしまう。結局、管理がおろそかになってしまうのだが、「MoneyLook」ならば、そうした事態に陥ることがない。大切な資産をおろそかにしないためにも、複数の口座を管理する人ならば、ぜひとも利用したいソフトだ。