7月は異常なほどの酷暑が続き、夏より冬が好きな(というより暑さに弱い)筆者は、すでにバテきっていたりする。そこで今回は、雪が降るスクリーンセーバを紹介することにした。季節はずれと言うなかれ。暑いときに雪景色を見ることで、気分だけでも涼しくなれるというものである。降雪系のスクリーンセーバは、季節・自然関係としてポピュラーなジャンルだが、ゆえに各ソフトで工夫が凝らされていておもしろい。今回紹介する「LESPO Screen Saver」のポイントは「雪文字」。絶え間なく降る雪の一部がデスクトップ上に張りついて残り、文字列が浮かび上がってくるのだ。雪の粒が少しずつ重なって文章を形作っていく様子は、まるで見えないオブジェに雪が積もっているかのようだ。
「雪文字」には任意の文字列を設定することができる。文章が画面内に収まるよう、解像度と文字数に応じてフォントサイズが自動的に調整されるので、伝言メッセージとして利用することも可能だ。ただ、雪の粒で文字を構成するという仕組み上、文章が長いと文字が小さくなりすぎて読めなくなってしまう場合もあるので注意。1024×768の解像度で漢字を含む場合には、15文字前後が適当ではないかと思われる。
雪の降り方も本格的で、3Dで描画されたさまざまな大きさの雪の粒が降りしきり、風に舞い踊る姿は実にリアルだ。起動時点でのデスクトップが背景として利用されるが、パスワード保護を設定している場合などには表示されない。
設定画面では文字列の入力のほか、降雪量や風速、明度の調整が行える。風向と風速を固定するか自動で変化させるかを選択することも可能だ。設定画面自体も半透明のオリジナルデザインとなっていて美しい。PDF形式の説明書もカラフルで見やすく、作者のセンスのよさが感じられた。
3D描画を行うので、スムーズな動作を行うためにはそれなりの処理性能が必要となる。動きがぎこちないと思ったら降雪量を減らして調整すればよいのだが、できればハイスペックのパソコンで動かして、文字が浮かび上がる不思議な感覚と雪の美しさを体感してほしい。ゆっくりとできあがっていく文章を眺めているうちに、蒸し暑い気分もきっと快適になっているだろう。
(柴崎 ひろ)