立体視によって、奥行きのある映像を楽しむことができるスクリーンセーバ。色とりどりの花が3D空間を回転したり、移動したりするのを見ているうちに、不思議な感覚にとらわれていく。両目の視差によって立体的に見える平面画像を「ステレオグラム」と呼ぶ。砂嵐のような画像を思い浮かべる人も多いと思うが、「ハイパー3D立体視スクリーンセーバー<FLOWER>」では、色彩もあざやかな光の花が浮かび上がる。これだけでも驚きなのに、さらにこれが動くのである。ムービーなのである。二度びっくりなのである。
スクリーンセーバが起動すると、赤や青、黄色などの花模様が規則的に回転し、上下左右に動き、画面を横切っていく。幾何学模様に近い花の形や色、背景画像からはエキゾチックな雰囲気も感じられて、ただ見ているだけでも美しいのだが、映像に焦点を合わせずに画面の奥の方をぼうっと見るようにしてみよう。しばらくすると、花が前後に移動するように感じて、映像に立体感が出てくるだろう。スッと奥行きが生じる瞬間は、快感すら覚える。
「ハイパー3D立体視スクリーンセーバー<FLOWER>」では立体視の方法として、焦点を画像より奥に持っていく「平行法」を用いている。コツをつかむのには個人差があるだろうが、日常生活での立体感覚を持っている人であれば、何度か試すうちに3D空間に吸い込まれるようになるだろう。動いている状態を立体視するのは難しいかもしれないということだが、筆者の場合はむしろ静止画よりも立体視しやすかった。顔を少し画面に近づけて、「なにか手前で動いているなあ」と思いつつも無視し、背景画像の向こう側を見るように視線を進める……という感じで映像全体をぼかしていくと比較的楽、かもしれない。まずは難しく考えずに眺めてみることをお勧めする。
ただし、かなり動きがあると同時に、光の線によって映像が構成されているので、光の点滅や明暗に弱かったり、酔いやすい体質の人は要注意。同梱されているドキュメントにも記載されているが、気分が悪くなったりした場合は無理をせず、ただちに利用を中止すること。試用期間が用意されているので、体質的に大丈夫か、うまく立体視できるかを確認して、この不思議な世界を楽しんでほしい。
なお、同じシリーズとして「ハイパー3D立体視スクリーンセーバー<STAR>」が公開されている。こちらは夜の街に星が輝くといった雰囲気のもの。立体視の仕組みは同じなので、好みで選んでもよいし、両方導入して気分に応じて切り替えるのもよいだろう。
(柴崎 ひろ)