「ColorDialogPlus Charm」は、Windowsに標準で用意されている「色の設定画面(ダイアログ)」の機能を拡張するソフト。スポイトツールや複数の色モードでの色の作成が行えるようになる。色の設定画面といわれてもピンとこないかもしれないが、「画面のプロパティ」でデザインを自分でカスタマイズしたことがある人なら馴染みがあるだろう。デスクトップなどの色を変更する際、「色」をクリックして、さらに「その他...」をクリックしたときに表示される画面のことである。基本の48色以外の色を使うには「色の作成」を押して、右側のグラデーションエリアから選択したり、数値で指定したりするのだが、本当にほしい色と微妙に違ってしまい、歯がゆい思いをしている人は多いはず。
筆者は使う壁紙によって、画面全体の色調も自分で作っている。アイコンの背景に関しては、Windows XPでは透明にできるし、他のOSでもツールを使うことで可能だが、そのほかの部分に関しては、色の設定画面で「こんな感じかな」と少しずつ調整していた。そのため、作成した色パレットがいつの間にか初期化されていたりすると、思わずちゃぶ台をひっくり返したくなってしまう。
こんなイライラを一挙解決してくれるのが「ColorDialogPlus Charm」だ。起動すると、メイン画面が表示される。ここでは拡張サービスの開始や停止、システム設定や保存した色ファイルの編集などを行うことができる。サービスを開始すると、色の設定画面が拡張され、標準ではできなかった色の設定が行えるようになる。正常に拡張できているかどうかをテストすることも可能。設定できる色をWindowsとMacintoshで共通のシステムカラーのみに制限し、色化けを抑える「WebSafeColor」も利用できる。メイン画面はタスクトレイに格納することもできる。
サービスを開始した状態では、色の設定画面の「作成した色」パレットの上に四つのボタンが追加される。ボタンはそれぞれ、
- 【O】保存してある色ファイルをパレットに読み込む
- 【W】作成した色パレットをファイルに保存する
- 【+】スポイト機能。ボタンを押したままマウスカーソルを動かすと、カーソル下の色を取得する。デスクトップ上のどこからでも取得できる
- 【V】ボタンを押したままマウスカーソルを色パレットの上に持っていき、離した位置に色が設定される
という機能を持つ。また、画面右側の下部にも五つのボタンが追加される。これはグラデーションエリアの色モードを変更するためのもので、Normal/HLS/HSV/YUV/RGBの各モードに切り替えられる。筆者にとって非常にありがたかったのがスポイト機能だ。壁紙とアイコンが重なる位置の色をスポイトで取得するだけで、完全に溶けこむ色を作成できる。その色を基調にしてHLSモードやHSVモードで他の部分を明るさを変えながら設定するだけで、簡単に全体の雰囲気を壁紙に合わせられる。作った色パレットはいくつでも保存できるので、同じような配色を使いたい場合、あるいは気分によって配色だけを変えたい場合などにも重宝する。
色の設定画面はWindows標準のものであり、画面のプロパティ設定以外にもさまざまなアプリケーションで利用されている。「こんなところでも使えるのか」という感じで、さまざまな場面で活躍してくれるだろう。表にでしゃばることはせず、決して目立つソフトではないが、使えば使うほどに手放せなくなること間違いなしだ。
(柴崎 ひろ)