外出先や携帯電話からパソコンにメールを送って、画面上にメッセージを表示させることができるスクリーンセーバ。プログラムの実行や再起動といったリモート操作も可能。仕事で外出している最中に予定変更が生じた場合、社内にいる人に知らせるために、電話やメールを用いるのが一般的だ。しかし、「リモコンスクリーンセーバー」は一風変わった手段を取っている。オフィスにあるパソコンのスクリーンセーバを遠隔操作して、いわゆる「伝言板」にしてしまうのだ。筆者はこのソフトを見た瞬間、「その手があったか!」と唸ってしまった。
「リモコンスクリーンセーバー」を利用する際には、あらかじめ最低限の設定を行う必要がある。まず、未読メールを読み取る条件として、メール差出人アドレスもしくは表示名を設定する。両方が一致した場合のみ読み取らせることも可能だ。次に、使用するメールソフトを選択する。読み取るときだけメールソフトを起動させることもできるが、起動にパスワードが必要な場合には、あらかじめ起動させておかなくてはならない。最後に、メールの読み取り間隔を1〜60分の範囲で設定する。
スクリーンセーバを設定しているパソコンに対して、処理命令と内容(メッセージなど)を記述したメールを送ると、先に指定した間隔でメールをチェックし、処理を実行してくれる。実行可能な処理は、
- メッセージをスクリーンセーバに表示する
- メッセージを指定したアドレスに転送する
- 起動中のアプリケーションを強制終了し、Windowsをシャットダウンする
- 起動中のアプリケーションを強制終了し、Windowsを再起動する
- 任意のコマンドやアプリケーションを実行する
の5種類。本文の先頭に処理命令を書き、続けてメッセージやコマンドを記述する。例えば、本文に「#M帰社予定が15:30になりました」と書いたメールを送ると、画面上に「帰社予定が15:30になりました」というメッセージがスクロール表示される(「#M」はメッセージ表示の処理命令)。また、コマンドの受信結果を返信できるほか、表示メッセージに受信日時や差出人表示名を付けることもできる。最初に表示する伝言や文字移動の速度、フォントの設定なども可能だ。
対応するメールソフトは「Outlook Express」と「Outlook」で、Outlookは仕様の関係上「2000 SR-1」までとなっている。もちろん、あらかじめ送受信ができるように設定しておくこと。場合によってはメールソフトの設定を一部変更する必要があるので、使う前には必ず同梱のReadMeやヘルプファイルに目を通してほしい。実は筆者も設定を変更しないまま返信機能を使おうとして、何度か失敗してしまった。
また、コントロールのためにメールソフトのセキュリティを若干緩めなくてはならない場合がある。「リモコンスクリーンセーバー」を利用するパソコンには、ウイルス対策ソフトをインストールし、常駐監視を行わせておくことを強くお勧めする。このように書くと敷居が高いように思えるかもしれないが、ウイルス対策はもはや基本中の基本であり、これを機に導入するのもよいだろう。
メールで送ったメッセージが画面に表示されるというのは、自分で見ていてもおもしろいものだ。ちょっと設定に悩む部分もあるかもしれないが、仕事ではもちろん、自宅パソコンを操作するといった用途にも便利なソフトなので、ぜひ活用していただきたい。
(柴崎 ひろ)