数えきれないほど多くの種類があり、毎日のように増え続けるスクリーンセーバ。その中でも常に人気なのが「熱帯魚」「アクアリウム」関係のものだ。画面を美しい魚が優雅に泳ぐ姿に癒される人も多いだろう。ただ筆者にとっては、魚や置物の種類がソフトごとに決まっていることが残念でもあった。自分だけのアクアリウムを作りたい──そんな願いを叶えてくれたのが「ED's Screen Saver 5 Tropical Fish 3D REAL」だ。魚や置物が豊富に用意されているだけでなく、お気に入りの絵や写真から自作して、泳がせたり配置したりすることができる。ここまで自由度の高い熱帯魚スクリーンセーバに出合ったのは多分初めてだと思う。
「ED's Screen Saver 5 Tropical Fish 3D REAL」は、以前に紹介した「Tropical Fish(ED's TFish)」から続くシリーズの最新作。魚が3Dで描画されるようになり、最大18種類60匹を同時に泳がせることができる。尾ひれや体を動かしながら群れを作り、気ままに泳ぎ回る姿は、実にリアルだ。基本パッケージには26種類の魚、10種類の置物、5色の風船が同梱されている。魚と一緒に風船がふわふわと漂うさまは、なんともいえず不思議な感じだ。置物にはモアイ像なんてものまで用意されている。
大きな特徴に、水槽の中身を自由に組み合わせられることがある。魚の種類や置物の配置は「TFD」という専用ファイルに記録されている。基本パッケージに同梱されているほか、ベクターや作者のホームページからも入手できるが、やはり自分なりレイアウトに好きな魚たちを泳がせたいもの。ファイルの作成や編集は、設定画面の「TFDファイルの編集」から行う。魚の種類を選んで置物を配置し、エアレーションや水流を設定すれば、オリジナル水槽の完成だ。
もうひとつのポイントが、好きな魚や置物を自作できること。魚は「ED's Tropical Fish 3D Data Maker」を使って、意外と短時間で作ることができる。泳がせることができるのは魚だけではない。ダイバーや潜水艦なんかを作ってみるのもおもしろいだろう。置物はもっと簡単で、BMPファイルを用意するだけ。高層ビルの合間を泳がせてもいいし、宇宙空間で魚たちが群れをなすといったシュールな光景もできてしまう。
ただし、TFDファイルの編集には(シェアウェアの)レジストが必要。水槽内の配置をいろいろといじる作業自体が楽しいので、気に入ったらレジストして、ソフトの醍醐味を堪能してほしい。なお、動作はグラフィックのパワーなどに大きく依存する。レジストしたけれど思うように動かなかったということがないように、必ず試用して自分の環境で快適に動作するかどうか確認してほしい。
熱帯魚スクリーンセーバに必要な機能は、ほぼ網羅しているといってよい。画面サイズは640×480〜1280×1024の4段階。照明光や環境光、スポットライトやエアレーションなどはON/OFFが可能。草や背景を揺らすこともできる。背景は「なし」のほか、任意の画像ファイル、デスクトップ、塗りつぶしから選ぶことが可能。魚やエアレーションの気泡の数も指定できる。ほかにも水槽(TFDファイル)を一定時間ごとに切り替えることができるなど、紹介しきれないほど多くの設定項目が用意されている。
注文のつけどころがないくらいに完成された「ED's Screen Saver 5 Tropical Fish 3D REAL」。これをどう発展させていくかはユーザ次第だ。楽しい水槽やびっくりするような水槽ができあがったら、家族や友人知人に教えてみてはいかがだろう。自作アクアリウムの輪が広がるに違いない。
(柴崎 ひろ)