「花美人」と呼ばれる擬人キャラクタを育成するシミュレーションゲーム。プレイヤーの行動によってさまざまな「花美人」に成長するので、立派に育て上げよう。育成対象となるのは、植物のようでもあり人間のようでもある、作者いわく“人間モドキ”の「花美人」。いわゆる「育成シミュレーションゲーム」だが、画面サイズがコンパクトで操作も簡単なので、デスクトップにちょこんと置いておき、マスコット感覚で遊ぶことができる。
まず、自分と「花美人」の名前を決めてから、2択で出てくる単語の好きな方を選んでいく。「どっちでもない」以外を3回選択するとゲーム開始だ。そのまま放っておいても勝手に進行するが、それでは意味がないので、各種のコマンドを実行していく。
コマンドには、「勉強」「美容」「芸術」「鍛錬」の育成関係のものと、「食事」「掃除」「遊ぶ」「叱る」の行動関係のものがある。基本的に育成コマンドでパラメータを上げていき、お腹がすいたら食事を上げ、部屋が汚れたら掃除する。ときどき遊んであげたり、場合によっては叱ったりすることも必要。「花美人」はプレイヤーの指示と実行結果によって、さまざまな表情や姿、会話で反応を返す。また、勝手に行動したり話したりすることもある。
コマンドボタンの下にある、「花美人」の名前のボタンでステータスを確認できる。「おなか」「おへや」「愛情」は行動関係、「あたま」「美しさ」「センス」「からだ」は育成関係のコマンドと関係している。育成関係の各ステータスは「×/△/○/◎/☆」の5段階で、プレイヤーの行動によって上下する。愛称、性格、好きなもの、嫌いなものという情報も表示される。
ステータスボタンの下にあるゲージは、ゲームの進行状況を示す。行動するたびに少しずつ進み、ゲージがいっぱいになると育成期間の終了となる。立派な「花美人」に育っていれば、ステータスに応じたエンディングを迎えられるが、育成に失敗している場合もあれば、途中で家出(!)してしまうこともある。達成できたエンディングは記録され、いつでも観賞することが可能だ。
そのほか、ウィンドウ位置やBGMの設定、セーブを行えるオプションボタンと、強制的に育成を中断してやり直す「お別れ」ボタンが用意されている。
このゲームの魅力は、なんといっても「花美人」のかわいらしいグラフィックと、豊かな反応だ。プレイヤーが行動するたびに表情や姿をころころと変え、話しかけてくる。喜怒哀楽をストレートに出してくるので、つい甘やかしてしまい、育成に失敗することが何度もあった。かといって、厳しくすれば出ていってしまうしで、筆者は見事に振り回されてしまった。それでも成長していく姿を見るのはうれしいもので、結果的に成功しようとしまいと「さあもう一度」となってしまい、危うく無限ループに陥るところだった。
デスクトップ上に常駐させても邪魔にならず、むしろ置いておくことで癒しにもなる「花美人」。あせらずゆっくりと、あなただけの「花美人」を育ててほしい。
(柴崎 ひろ)