好きな風景の中を、さまざまな鉄道車両を走らせることができるスクリーンセーバ。「LTC!スクリーンセーバーplus」の作者はもともと「Let'sTrainConnect!」シリーズという、列車の入換運転や連結シミュレーションゲームを作成・公開している。ゲームで使う車両データをスクリーンセーバとして使ったのが「LTC!スクリーンセーバplus」だ。ソフトにはスクリーンセーバ本体と、路線定義ファイル/車両・風景データファイルが含まれる。両方をインストールして、スクリーンセーバの設定から路線定義ファイルを指定すれば利用できる。
特徴は、なんといっても車両データの緻密さ。台車から床下機器まで、実際の車両をリアルに再現している。鉄道好きの筆者としては、この本物らしさだけでも感心してしまう。単体でも立派なCGなのに、これがゲームやスクリーンセーバのためのデータだというのだから、そのこだわりようには敬服する。
走行に関する設定が豊富なことも特徴。設定ファイルは「.ldt」という拡張子のテキストファイルに記述する。車両は複数のデータを指定することができ、それぞれ進行方向や速度を指定することが可能。特急列車なら右へ左へ速く走らせ、貨物列車ならゆっくりと一方向にだけ走らせる、といった細かな芸当も実現できる。指定できる風景は1種類だけだが、設定ファイルと風景データを複数用意することで、さまざまな景色の中を走らせることが可能になる。
同梱されている車両は、「キハ58系国鉄色」「キハ40系国鉄色」「DD51+50系客車編成」という、知っている人にとっては懐かしい、非電化路線用の列車。走らせるための風景データとして「山岳路線風の風景画像」が入っている。国鉄時代の山陰本線、時期は初秋といった雰囲気だ。
作者のホームページでは、さまざまな車両データや追加の風景データが公開されているので、好きな車両を見つけて走らせてみるとよいだろう。車両や風景データは自作することも可能で、自分で撮った風景写真の中や、架空イラストの世界を走らせるといった楽しみ方もできる。
鉄道関係のスクリーンセーバは少なくないが、豊富なバリエーションの車両を走らせることができ、速度や風景まで指定できる「LTC!スクリーンセーバplus」は、鉄道好きだけでなく、旅行や交通全般、さらには自然や風景が好きという人にもお勧めしたいソフトだ。
(柴崎 ひろ)