パソコンの画面に直接、「ラクガキ」することができるソフト。もちろん、本物のペンでモニタの表面に描くわけではない(そんなことをしたら後が大変。せいぜい、付箋を貼るくらいにしておこう)。使えるペンは、描画系の「鉛筆」「エアブラシ」、消去用の「消しゴム」、指定範囲をクリップボードにコピーする「カッター」の4種類。最大で8本のペンを登録することができ、ペンの種類や色、太さなどを用途に応じて使い分けることができる。カッターによるコピーはBMP形式で行われる。
ソフトを起動すると、鉛筆型のアイコンがタスクトレイに常駐する。アイコンを左クリックすると、マウスカーソルが「ペン1」に設定されているペンに変わり、ラクガキが可能になる。カーソルが変わっている間はマウスはラクガキ専用になるが、キーボード操作など、マウスを使わない操作は行うことができる。
マウスの中ボタンやホイールで、登録してあるペンを切り替えられるので、描いては消し、気に入ったらカッターでコピーする、といった一連の操作をスムーズに行うことができる。マウスを右クリックすれば、どこでも操作が解除される。解除しても描いたものは消えないが、その上に別のウインドウを表示するなど、再描画された範囲は消えるので注意。Flashなどのムービーも、動いている範囲は消えるが、まわりを囲むことなどはできる。
タスクトレイアイコンを右クリックするとメニューが表示され、登録してあるペンを直接選ぶことができる。描かれているすべてのラクガキを一括消去することも可能だ。Windowsのツールバー上に描いたものは一括消去では消えなかったが、消しゴムを使うか、一度ツールバーを隠せば消えるので、特に支障はないだろう。
ペンの登録や変更は、メニューの「ペン設定」から行う。設定できる項目は「名称」「ペン種別」「色」「太さ」「濃さ」。ただし、色と太さは鉛筆とエアブラシのみ、濃さはエアブラシだけが設定できる。好きな名前をつけられる。色は、赤や黒などの6種類から選べるほか、「カスタム」でカラーパレットから好きな色を選ぶこともできる。太さは1〜60(ピクセル)の間で指定することが可能。また、エアブラシの場合は濃さ(点の密度)を1〜200の間で調整でき、初期値は100となっている。
このように、ひと通りのツールが用意されており、細かな設定も行えるため、さまざまな場面で活用することができる。画面に表示しているホームページや資料を、直接添削したり、チェックを入れてコピーし、印刷したりといったこともできる。画面を見せながら描き込んで、プレゼンを行ったり説明するといったビジネス分野でも活用できるのではないだろうか。
「らくがきですくとっぷ」は、「あそぶだけ?」という感じの名前に反して、実はとても便利に使えるツールだ。何も考えず、気晴らしにも使うというのも当然ありなので、常駐させておくことをお勧めする。
(柴崎 ひろ)