方眼紙といえば、理科や図工の時間を連想する人も多いだろう。「豆柴方眼紙」は、壁紙を方眼紙にするユニークなソフト。任意の画像に方眼線を加えて壁紙にすることも可能だ。「豆柴方眼紙」には、方眼線をできるだけ正確に描画するために、「キャリブレーション機能」が用意されている。ディスプレイの大きさによって、1mmあたり何画素で構成されているかが異なるため、調整する必要があるというわけだ。「豆柴方眼紙」では、「ものさし」「しわのない千円札(夏目漱石)」「画素ピッチがわかる資料」のいずれかで調整するようになっている。
おもしろいのが、千円札での調整だ。手元にものさしや資料がなくても、普段から財布に漱石の1枚くらいは入っているだろう。千円札を用意して、画面に表示される長方形に重ね合わせ、ぴったり一致するように長方形の大きさを調整すればよい。なお、ものさしの場合は長方形の大きさを0.1mm単位で計測する。画素ピッチ資料は、水平/垂直方向の値を入力する。
あらかじめ別の壁紙が表示されている場合、キャリブレーション完了後に、現在の壁紙と方眼紙を置き換えるか、壁紙の上に方眼線を描くか選択することになる。背景付きの方眼紙も、チェック柄を加えたような感じで楽しめる。
続いて、背景と方眼線の色を選択する。RGBの値を各辺に割り当てた立方体で、直感的に操作できる。各辺は6分割されており、216色から選ぶ。壁紙の上に描く場合は、背景色の選択はない。色が決まったら、方眼線と目盛りの間隔を指定する。「1ミリ目盛り付きの線」「太い線」「細い線」の間隔を、なしを含めて4〜5段階からそれぞれ選択できる。方眼線を最大45度まで、好きな角度に傾けることもできる。操作中は常に左側に拡大見本が表示されるので、色の組み合わせや目盛り間隔など、完成形をイメージしながら作業を進めることができてありがたい。
調整・指定が完了すると、自動的に方眼紙が作成されて壁紙に設定される。すべて一連の流れ作業ででき、指示通りに進めれば完成するので、まずは試してみるのが一番だ。機能的には「方眼線を描く」ただそれだけのことなのだが、これが予想以上に楽しくて、いろいろな設定での方眼紙を作ってしまった。表示画像の実サイズを測ったり、画面に測りたいものを当てて実際の定規代わりに使うといった、実用にも向いている。作者もドキュメントで述べているが、使い方はユーザ次第でどんどん広がるだろう。
描画の正確さや見た目、操作性といった部分に作者のこだわりが感じられる、シンプルゆえに奥が深いソフトだ。
(柴崎 ひろ)