高解像度のディスプレイやワイド液晶など、広いデスクトップが使えるパソコンが増えているが、壁紙に関しては並べたり拡大できるだけで、いまだに一度に1種類しか表示できない。画像を組み合わせて加工するのも面倒だし、融通が利かない。「せっかくの広いデスクトップなんだから、好きな画像を自由に並べたい」──こんな願いを実現してくれるのが「MyPoster_XP」だ。複数の画像をドラッグ&ドロップでデスクトップに貼り付けることができる。デスクトップを壁に見たてて、ポスターを貼るイメージで利用できる。
ソフトは「アンカー」「キャプチャ」「ポスター」の3つのパーツで構成されている。利用できる画像形式はJPEG/BMP/GIF/TIFF。TIFFは外部ソフトと連携させてJPEGに変換する。標準ではWindowsの「ペイント」が設定されているが、任意のソフトを利用することもできる。なお、Windows 98のペイントはTIFFに対応していない。表示色数は16bit(ハイカラー)以上が必要だ。
起動すると「アンカー」が表示され、前回終了時の表示状態が復元される。ソフトのインストール時にスタートアップに登録され、ログインと同時に起動するので、まさに壁紙のように使えるというわけだ。アンカーはアイコン程度の大きさで、常時起動のための配慮がうかがえる。タスクトレイに格納できれば、なお良かったように思う。
アンカーから「キャプチャ」を起動し、ドラッグ&ドロップで画像の取り込みを行う。取り込まれた画像は、キャプチャ上のプレビュー表示で確認できる。単体の画像ファイルのほか、ブラウザ上に表示されて画像も取り込める。画像がファイルへのリンクになっている場合には、右クリックメニューの「コピー」と「貼り付け」で、クリップボードを経由して取得することが可能だ。
プレビュー画像をデスクトップにドラッグ&ドロップすると、「ポスター」として貼り付けられる。重ね貼りも可能だ。ポスターの左下・右下をドラッグして、サイズを変更できる。縦横比は固定されるため、絵が変形してしまうといった心配は無用だ。同時に貼り付けられる画像は10枚まで。右上の「×」印でデスクトップから削除する。画像をダブルクリックすると、元のサイズでスクリーン表示される。ポスター全体には「アクティブ」と「ロック」という状態があり、アンカーを右クリックして変更できる。アクティブの状態ではサイズ変更や移動など、ポスターの操作を行える。ロック状態では、これらの操作ができなくなる。画像の配置やサイズ調整を行った後はロックしておこう。
スキンを使って「アンカー」と「キャプチャ」の外観を変えることもできる。キャプチャの上部フレームをクリックすると、「アクティブ・トレー」がせり出し、インストール済みのスキンが一覧表示される。追加スキンは作者のホームページからダウンロードでき、ダウンロードファイルをキャプチャにドラッグ&ドロップして追加する。利用には「UNLHA32.DLL」が必要になるが、持っていない場合は「統合アーカイバプロジェクト」などで入手できる。
使ってみた感じでは、「壁にポスターを貼る」というよりも、「コルクボードに写真を留める」ような感覚だった。「なんとなく」「ぺたぺた」と貼っていける手軽さゆえだろうか。サイトの巡回中に気に入ったものを見つけたら貼る、旅行の写真を整理しながら貼っていくなど、さまざまな利用方法が考えられる。難しく考えずに、まずは使ってみることをお勧めする。一度使ったら手放せなくなるだろう。
(柴崎 ひろ)