万華鏡をパソコンで再現したといった趣の美しいスクリーンセーバ。「Fantasphere」は、球体(スフィア)の中を半透明のアイテムが、さまざまに動きながら回転する様子が美しいスクリーンセーバ。「デジタル万華鏡」という作者の説明がぴったりで、万華鏡は万華鏡でも、実際の万華鏡がドラスティックに模様を変えたりすることがあるのとは少し違い、完全にシンメトリーを保ちながら、ゆっくりと連続的にアイテムが動いていく、とでもいえばよいだろうか。
同梱の説明書にある「物語」を読むと、このスクリーンセーバの雰囲気がよくわかる。
- ……「これは魔法のクリスタル、ファンタスフィアじゃ。ねがいをかけてスフィアをまわすと色々な光が見えてくる。もし光が集まって類まれなる美しいかたちとなるのを見つけることができたら、きっと、その願いがかなうだろう」。スフィアを手にとってまわしてみると、確かにそこには小さな光が現れ静かに回りはじめました。……
「Fantasphere」とは、“Fantastic”+“sphere”の造語なのだろう。表示可能なアイテムは「クロスライト(十字の光)」「ネオン(六角形の光るチューブ)」など、全部で10種類。10種類すべてを選択して、同時に表示させることもできるが、筆者はせいぜい2〜3種類程度にしておいた方が、より美しさが際立つように感じた。また、対称軸の数を設定することも可能で、実際の万華鏡にはない2のほか、3/6/7から選択できる。「なし」を選択することもできる。この場合は当然、対称軸はなくなるが、かといって完全にランダムな動きになるのでもなく、やはりその動きは美しい。
大きな特徴が、スフィア内に置かれたマウスポインタの位置で、アイテムの動きが変わってくること(「Fantasphere」はマウスの動きのみでは終了しない)。自動的に動き回るアイテムが、マウスの微妙な位置の変化に応じてくれるのは、気持ちが伝わったようで、なんとも愛しい気分にさせられる。
そのほか、スフィアを表示しないように設定したりすることもできる。
(練馬 ベク蔵)