「FreeWay」を起動すると、画面左上に「"FreeWay" version 1.02 (C)1990 by FKS. フリーウェイへ‥‥」としばらく表示され、はるか向こうの街へのドライブがはじまる――今回紹介するスクリーンセーバは、FKSさんが1990年に作成・公開したMS-DOS版 3Dドライビング環境常駐ソフト「フリーウェイ」を、菅原 芳弘さんがWindows版のスクリーンセーバとして移植したものだ。
13年前の作品ということもあって、(処理を重くしないため)画面は、道路や星、街の灯りを示す点で構成されており、そのほかの装飾は一切ない。最近の緻密なグラフィックを見慣れている人にとっては、あまりのシンプルな作りに驚くことだろう。
しかし、13年前という月日について考えてほしい。公開された1990年が「スーパーファミコン」の発売された年だといえば、どれだけ昔なのかをわかっていただけるのではないだろうか。ちなみに筆者は、そのころすでにパソコンを所有していながら、オリジナル版と対面する機会がなかったのだが、「FreeWay」を見ていると、なぜか懐かしい気持ちになってしまった。つまり「FreeWay」は、現在のスペックをフル稼働させて楽しむものではなく、軽めの動作で「古きよき時代」を追想することのできるスクリーンセーバなのだ。
設定画面では、オリジナルの雰囲気を味わえるように、「FreeWay」起動中のみ解像度を640×480ドットに変更するスイッチや、Windows版の+α機能が追加されている。+α機能とは、「星もスクロール」「流れ星」「道路の透過表示」「点の色変更」の4種類で、どれもオリジナルのイメージを変えないシンプルなものにとどまっている。
現在多用されている3Dグラフィックに食傷ぎみの人や、昔ながらのパソコンユーザの人に、ぜひ見てほしい「シンプル イズ ベスト」のスクリーンセーバだ。
(佐藤 さくら)