球体の重力運動をシミュレートしたスクリーンセーバ。ブラックバックの画面で大理石の球体に引力/斥力が作用して動く様が楽しい。「retro Gravity」は、ブラックバックの画面で大理石の球体に引力/斥力が作用して動く様が楽しいスクリーンセーバ。わかりにくい表現で恐縮だが、「香港などで土産として売られている鉄球を思わせる複数個の美しい球体が、ゆっくりと引き合いながら(または反発しあいながら)暗黒の空間を動く」というのが筆者が最初に抱いたイメージだ。球体同士がぶつかると、香港土産鉄球のように美しい音(鉄球の場合は揺らすと音を発するのだが)を発する点も似ている。マーブルの球体はさまざまなパターンがあるが、なかには地球のように見えるものもある。
時間の経過とともに球体同士が近づくと、短時間に連続してぶつかる。このときの動きもいいのだが、それよりも気に入ったのが音で、なんだかフリージャズっぽいガムラン音楽を聞いているような気分になってしまった。
球体は2〜9個で設定できる。運動により画面外に飛び出ることもあり、これをきっかけにその回のシミュレートがリセットされて、新たなシミュレートに移る。何個が画面外に出た(画面内に何個残っているか)ときにリセットするかも好みで指定できる。このrefresher値は、1から(球体数−1)で設定できるので、同じセットを長く楽しみたい人は、個数を多く、refresherを1に指定しておけばよいだろう。
標準では、球体には引力が作用するが、「retro」を指定することで斥力が作用するように指定することが可能。球体の動きとしては、retroモードの方がおもしろい(が、筆者としては、ガムランを楽しめる標準モードの方が好みだ)。retroモードの場合は、refresher指定は無効となる。
そのほかにも、質量レベルに応じて球体の色を変更したり、球体をカラーサークルに変更したりすることもできる。音を再生しないようにすることも可能だ。
ゆったりとした球体の動きと、球体の美しさ、球体がぶつかるときの澄んだ音色が見事にマッチしているスクリーンセーバで、ここまでの説明ではわかりづらいだろうが、一度テストしてみれば、その魅力にひかれること請け合いである。
(練馬 ベク蔵)