起動ごとに作り出される新しいリズムで、目と耳を楽しませてくれるユニークなスクリーンセーバ。3D回転する縞模様の板(テーブル)に、テーブルの縞とは垂直の方向に繰り返し黄色い光が走査する。「RhythMatrix」の起動直後の状態はこんな感じだ。それが時間の経過とともにテーブルの一部にさまざまな色がつきはじめ、スピーカからはバスドラ、スネア、パーカッション、シンセサイザー、ハンドクラップなどのリズムボックス風のサウンドが流れてくる。
文章にしてしまえばこれだけのことなのだが、テーブルにつく色が少しずつ増え、だんだんと新しい楽器が加わってくるのを見る&聴くのは、結構楽しく、飽きない。テーブルというのは、ビブラフォンを縦長(ただし各鉄琴の長さは同じ)にしたような外見で、そのうちの1本が微妙にズレているのがなんとなく意味ありげ。再生されるサウンドは、まさに「リズムボックスをがちゃがちゃといじりました」風なのだが、聞いているうちにだんだんフリージャズ的? クラブジャズ的? にも思えてきた。
細かい芸を見せてくれるところもあって、テーブルの3D回転に合わせて、リズムスピードが変化する(テーブルが水平方向になると、スピードが上がる)。起動直後はテーブル上の色と、黄色の走査線が交差した時点で音が鳴っている……ような気がするのだが、それも色がテーブル一面に広がり、さまざまな楽器が鳴りはじめると、もうワケがわからなくなってしまった。
設定により、リズムのスピード(Beat Speed)および変化のスピード(Transient Speed )、リズムの密度(Matrix Density)を変化させられる。さらに、テーブルは自動回転させないことも、またマウスの左ドラッグで回転させる/させないを指定することも可能。テーブルの自動回転では、単に回転させるほかに「激しく(agressive)」という設定もできる。Beat/Transient SpeedとMatrix Densityの値をさまざまに組み合わせて楽しめるのが「RhythMatrix」のポイントだ。
マウスを右クリックすることで、これまでのリズムパターンがリセットされ、新たなリズムを楽しめるようになっている。また、スペースキーで、ユーザが手動でリズムを変化させることも可能だ。
背景には白と黒の2色があるようで、起動時にランダムに選択される。筆者的には、黒の方が雰囲気がある感じがして好みだ。
作者のKODさんは、この「RhythMatrix」のほかにもアートの香り高いスクリーンセーバを多数作られており(http://member.nifty.ne.jp/Lenity/)、現在、そのうちの3本がVectorからダウンロードできる。ちょっと変わったスクリーンセーバを探している人には、ぜひお試しいただきたい1本。
(練馬 ベク蔵)