今年も多くのオンラインソフトに触れる機会があった。Vista発売を目前に控えてWindows XPのプログラムはすでに成熟期に入ったためか、今年はしっかりと練り込まれたソフトがたくさんリリースされた印象が強い。おかげで、本稿の執筆にあたりソフトの選択で大いに悩まされた。
実用性の面でいえば、ユーティリティ詰め合わせの「ZTop」が筆頭。「ZTop」が入っていない環境では、正直仕事をする気が起きないほど。ゲームでは、独特のルールと操作感を持つパズル「LEALIG」にさんざんハマった(高難度版の「LEALIG RED」は挫折……)。また、「化学っ娘ノエリ CROW同封版」のデスクトップマスコット+化学トークという意外な組み合わせは、強く印象に残った。
だが、いま一番気に入っているソフトを挙げるとすれば「WaveIlluminator」だ。「音の強弱に合わせてドレミ音の鍵盤が光り輝くサウンドプレイヤー」と、概要をひと言で書けるほどシンプルなソフトなのだが、意外と似たようなソフトにお目にかかったことがない。
「WaveIlluminator」では、スペクトラム波形のバンド幅をドレミ音で区切っている。イコライザ関連ソフトなど、スペクトラム波形を表示するものは多い(Windows Media Playerにも備わっている)が、きっちりとドレミ音で周波数帯を切ったものはめずらしい。作者のH.Yokota氏によれば「もとは耳コピー用のソフトだった」ということだが、なるほど納得できる。ドレミ音で区切られているため、「いま鳴っている音の音名は何か」がすぐわかるのはおもしろい。
とはいえ普通に使っていれば、そうそう音名の解析を行う機会などない。それでも筆者が使い続けている理由は、「再生中の見た目が美しい」から。光り方が非常に特徴的で、フワッと光りはじめてスッと消える。この「音と光のイルミネーション」は実際に体験してこそ理解できると思うので、まだ「WaveIlluminator」を使ったことがない方は、ぜひ一度触れてみてほしい。
以前筆者は、旧バージョン(Ver.1.30)のレビュー記事でMP3に対応していないことを不満点として書かせていただいた。そのあとバージョンアップが繰り返され、2.00でついにMP3に対応。めぼしい不満点はなくなった。もちろんAPE/OGG/TAUなどの“新しめな”フォーマットにどんどん対応してもらえると、うれしさ倍増なのだが……。
なお、「WaveIlluminator」のウィンドウはそこそこ大きく(コンパクトモードでXPの場合438×372ドット)、邪魔にならない小さなウィンドウのプレイヤーを求める人には向かないのでご注意いただきたい。あくまで「目で見て楽しむ」プレイヤーなので、ウィンドウサイズが小さくては意味がない。ちなみに、別の作業をしながら使っていると、光る鍵盤が視界の片隅に入るたびについ見入ってしまうので、間違いなく作業が進まなくなることだろう……。
WaveIlluminator 4.30 音階に合わせて鍵盤が光るWAV, MP3プレーヤー (1,174K) |