2006年は、PSPの「脳力トレーナー ポータブル」、ニンテンドーDSの「脳を鍛える大人のDSトレーニング」、「漢検DS」など、簡単な計算や記憶テストを繰り返すことで、脳機能の低下を防ぐトレーニングソフトが流行した。筆者も大いに楽しむとともに、記憶力低下などの現実に悩みもした。「TYPE THE 試験に出る英単語」はそんな時代背景にマッチした学習ソフトで、タイピング練習を兼ねた欲張りな点も気に入った。そんなわけで、2006年のベストオンラインソフトは、「TYPE THE 試験に出る英単語」を選ぶ。
「TYPE THE 試験に出る英単語」は、大学受験向け英単語約1,700語を100のレベルに分け、日本語訳をタイピングで解答していく。ローマ字入力、かな入力のどちらにも対応する。「試験に出る」つまり「大学入試」を謳っているので、いまの時期にもピッタリ。もちろん、大学入試の勉強以外の用途でも利用でき、自作問題を入れることもできる。問題作成支援ツールが用意されていて、作者のホームページからダウンロードできる。
「英単語を見ても、日本語訳なんてわからない」などという心配も無用。画面に大きく英単語が表示され、その下に三者択一の選択肢が表示される。ユーザは、選択肢の中から正しいと思う日本語訳をキーボードで入力してゆけばよい。
例えば、出題されたのが「author」の場合、選択肢として表示されるのは「著者(tyosya)」「受ける(ukeru)」「破る(yaburu)」(ローマ字入力時)といった具合。正しい日本語訳のローマ字「tyosya」を入力すれば正解となる。ローマ字表記はヘボン式など複数のものに対応し、ユーザがカスタマイズすることもできる。
作者のホームページからダウンロードできる音声ファイルを追加すると、出題時やテスト結果確認時に英単語の発音を聞くことができるのもよい。この機能により、英単語をローマ字読みし、自己流で覚えてしまうことを防げる。
問題は10個単位。英単語がランダムに出題され、採点結果は10問解答後にまとめて表示される。現状でも特に問題はないが、解答直後に○×表示と正解表示を行い、「採点だけまとめて行う」か「解答直後に採点する」かを選択できるとよいと思う。
テストの制限時間は、1回(全10問)につき50秒。10問中8問以上(レベル81以上は9問以上)正解するとレベルがひとつ上がり、3回連続で不合格となった場合は、レベルがひとつ下がる。レベルのアップダウンにどきどきしてしまう場合は、「予習・復習」モードを利用すればよい。レベルを自由に指定して学習できる上、制限時間が200秒と緩やかになる。
レベル6以上に到達すると一定の確率で「強制復習」モードが出現し、過去に学習した英単語が再び出題される。いわば「抜き打ちテスト」だが、この仕組みにより、学習の定着度が確認でき、より実力がアップする。なお、強制復習モードに合格できないとレベルダウンし、合格してもレベルは変わらない。
学習成績には、
英単語の綴りを書いて覚えることはあっても、日本語訳(単語の意味)を書いて覚えることはあまりない。そう、英単語の意味は“見て”覚えることが多い。日本語の読みをローマ字(またはかな)で入力することにより、見て覚える以上の学習効果を得ることができると感じる。どなたにもお勧めできるソフトで、自信を持って2006年ベストオンラインソフトとして紹介する。
TYPE THE 試験に出る英単語 1.0.6 英単語の日本語訳を3つの選択肢からタイピングで解答するゲーム (724K) |