仮にアップグレードパスがあったとしても、パソコンの性能が低くてWindows XPが動作しないのでは、せっかくのパッケージも利用できない。ここでWindows XPの動作環境について整理しておこう。
意外に思えるかもしれないが、実はHome EditionとProfessionalとでは、必要となるハードウェアの条件はまったく同一だ。これまで95/98/MeとNT/2000とでは必要となるハードウェア条件が異なっていたが、今回はカーネルも共通化されたということで、これらがまったく同一になったわけだ。ただアップグレードということを考えれば、これまでは95/98の方が低いハードウェアスペックでも動作可能であったことから、XPに乗り換える際の「段差」は家庭用の方が大きいことになる。
例えばCPUで見ると、クロック周波数300MHz以上で、かつPentium/Celeron、AMD K6/Athlon/Duron系列が必要になった。95/98で486系列のCPUを使っていた場合には要注意といえるだろう。必要となるメモリ容量は128MB以上、ハードディスク容量は1.5GBというのは、最近のデスクトップパソコンでは問題になる数字ではないが、ちょっと古めのノートパソコンだと辛い。CD-ROMやDVD-ROMドライブはOSのインストール時に必要だ。またPC-9800系のパソコンには対応しない点も注意しよう。
毎度のことではあるが、ここで示した数字はいずれも「OSが動作する最低限度」でしかない。真に「快適」に利用するには、このスペックよりもかなり高いスペックが必要となる。特に重視してほしいのはメモリ容量で、これは可能であれば256MBくらいは用意しておきたいところ。Windows XPの場合、メモリの利用効率がかなり向上しているので、メモリ容量を増やせば、たとえCPUパワーが多少低くても、かなり快適になる。逆にいえば、CPUがこの条件をクリアしている場合であっても、メモリが少ない場合にはかなり辛くなると思っておいた方がよいだろう。
ハードディスクについては、Windows XPを普通にクリーンインストールするだけで、およそ1GB程度の容量を必要とする。アプリケーションやユーザファイルの分を考えれば、やはり最低でも2GB以上は確保しておきたい。
表●Windows XPの動作環境(Home Edition/Professionalで共通)
CPU |
クロック周波数300MHz以上のIntel Pentium / Celeron 系列、AMD K6 / Athlon / Duron ファミリ、またはこれらと互換のCPU |
メモリ |
128MB以上 |
HDD |
1.5GB以上 |
グラフィック |
SVGA(800×600)以上 |
その他 |
CD-ROMまたはDVD ドライブ. キーボードおよび Microsoft Mouseまたはこれらと互換のポインティング デバイス |