ひと口に「自動化」といっても、いろいろな切り口のソフトがあっておもしろいものだ。どんな場面で、どんな操作をパソコンにやらせるか。それによって使えるソフトも変わってくることがおわかりいただけたと思う。
では最後に、今回取り上げたソフトの特徴をまとめてみよう。
「TStartUp」は、Windowsの自動起動機能をカスタマイズしてしまおうというもの。パソコンを起動させるたびに同じアプリケーションが自動起動する必要は、考えてみればあまりないかもしれない。ならば起動させる時間によって必要なアプリケーションだけを起動させようというわけだ。特に、有効時間帯の中でもその日に一度立ち上げたアプリケーションは二度とスタートアップ起動しない「1回のみ」の機能はおもしろい。メモリ容量に不安のある人などには、もってこいのソフトだろう。
「AutoRunner!」は、非常に細かな設定が可能で、かなり複雑な処理でも自動化できるのが特徴。ヘルプが貧弱なのと、まだ実装されていない機能がメニューに存在するなど、完成度の点で不満が残るのも確かなのだが、実現可能な処理の幅広さは魅力である。
「Free Macro!」は、手作業による操作をそのまま記録・再生できる手軽さがいい。誰でも簡単に設定できる上、実際の操作をそのままトレースするということで、使える場面もかなり多いだろうと思う。マウス移動の軌跡や記録終了ボタンを押すまでがそのまま記録されるので無駄も少なくはないのだが、再生速度を上げることでかなりの程度解決できるように思う。
「Fimo」は、今回の5本の中でもちょっと変わり種だ。フォルダを監視して、フォルダ内容に変化があった場合に“通知”してくれるのが本来の用法なのだが、通知の代わりにプログラムの起動ができることから「自動化ソフト」として取り上げてみた。ファイルの増減や更新がトリガとなってプログラムが起動するというアイデアはユニークで、工夫次第ではおもしろい使い方ができると思う。
「ShutdownNext」は、Windowsの終了を自動化するソフト。たったひとつのファイルのダウンロードが終わらないためにパソコンの電源を切れずに眠れないといった経験を持つ人も少なくないのではないか。そんなときには、このソフトを使えばよい。終了させるための条件も多彩に用意されているので、組み合わせによってかなりデリケートな設定が可能になる。メール受信を条件にすることで、外部からリモートコントロールできるのもうれしい機能だ。