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日本語化された定番メールクライアント
Eudora-J
Version 1.3.8.8r4(J15)
フリーの電子メールソフトとしてMacでは定番の「Eudora」を日本語化したフリーソフトだ。市販バージョンである「Eudora Pro」に比べるといくつかの機能が省かれているが、メールソフトとしての基本的な機能は備えている。
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■こんな人にお勧め!!
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あまりメールのやりとりをすることはないが、とりあえず1本はメールソフトを持っていたいという人。Macユーザ以外の人とはバイナリファイルのやりとりをしない人。
Mac用電子メールソフトの基本
定番中の定番ともいえるソフトだけに、電子メールとしての基本機能はバッチリ押さえられている。いわゆるアドレス帳にあたるニックネーム登録機能や、さらにその中でもよくメールを送る相手を受取人として登録し、宛先の指定を簡単に行う機能などは「Eudora Pro」と同様だ。
また、フォルダを使ったメールの仕分けも可能だが、これはコマンドによる手作業のみ。差出人アドレスやメールの表題などを元にメールを自動的にフォルダに振り分けることはできない。もっとも、あまりメールのやりとりをしないという人であれば、これでも十分だろう。
初心者にはちょっと難しい?
市販ソフトに比べると、入門用マニュアルといったものがない分、初めて電子メールを使うユーザにとっては設定項目がわかりづらいかもしれない。
例えば、初期状態ではメールを作成して送信ボタンをクリックするとすぐに送信を行うので、ダイヤルアップ接続ユーザが複数のメールを書いてまとめて送信したい場合にはわずらわしく感じるだろう。また、同じく初期状態では、送信済みメールは送信簿フォルダに残らずゴミ箱に移され、さらに「Eudora」を終了するとゴミ箱の内容は消去されるので、過去に送信したメールを確認できない。
ここに挙げた例は、いずれもオプション設定で対応可能なものだが、初心者にとっては敷居が高いと感じられるかもしれない。
バイナリエンコードはBinHexのみ
メールにファイルを添付する場合に重要な、バイナリファイルのエンコード/デコードについては、Macintosh独自のBinHex形式のみで、現在インターネットの標準となっているBase64には、まだ対応していない(今後、対応する予定があるそうなので期待したい)。したがって、バイナリファイルを添付する場合、相手がMacユーザでないときはBinHex対応のメールソフトを使っているかどうかを確認しておく必要がある。
なお、プラグインにより機能を拡張できるようになっていて、いくつかのプラグインが付属する。また、[Option]キーを押しながら[設定変更...](または[スイッチ...])コマンドを選択すると引用記号や文字の折り返し桁数などを変更できるダイアログが現れるが、このダイアログでの設定をもとにプラグインを作成することもできるようになっている。
(福住 護)
作者のホームページはこちら。
ソフト作者からひとこと
「Eudora-J」はフリーソフトの「Eudora 1.3.1」のソースコードを元にして、日本語対応および機能追加をしたMUA(Mail User Agent)です。
ネットニュースリーダの「NewsWatcher」を改良して作った「NewsAgent」で、記事を「Eudora」のメールボックスへ格納するために「Eudora」のソースを探したのが「Eudora-J」の始まりです。その後、「NewsAgent」の開発は中断し、「Eudora-J」の改良の方に力を入れて現在に至っています。
今後のバージョンアップでは、uuencodeやMIMEのBase64エンコードでの添付書類の送信や、受取人リストの階層化を予定しています。
(中田 了)
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