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サンプリング音を楽器として扱えるMIDIシーケンサ
Loud Tracker
Version 1.14
トラッカーの気軽さ+MIDIの高音質を!! サンプリング音(WAV)をインストゥルメントとして扱えるので、手軽にMIDIを楽しむことができる。アナログシンセをエミュレーションし、サンプルの生成、ストリーミングによる再生も可能。
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■こんな人にお勧め!!
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MIDIシーケンサに興味があり、知識を持っている人。シンセサイザや電子楽器に興味を持っている人にお勧め!!
サンプリング音で音楽を
「Loud Tracker」は、パソコン上で音楽を扱うためのMIDIシーケンサだ。MIDIシーケンサといわれるとつい、「うちにはMIDI音源なんてないから関係ないや」と思ってしまいがちだが、「Loud Tracker」はちょっと違う。「Loud Tracker」は、一般的なMIDI音源を使ったシーケンサ機能はもとより、サンプリング音、つまりWAV音も楽器として取り扱うことができるシーケンサだ。
「Loud Tracker」は全部で64と十分な数のトラックを持ち、それぞれにMIDIはもちろんサンプリング音も割り当てることができる。MIDI音源からの音ばかりだと音楽は平板になりがちだが、任意のサンプリング音を使えることで、合いの手や掛け声なども入れられるようになるわけだ。
シンセサイザ機能も内蔵
データの入力は、MIDIからのリアルタイム入力のほか、ステップ録音も可能。もちろん、パソコンのキーボードを鍵盤に見立てた入力もできるので、MIDIキーボードを持っていなくても大丈夫だ。
さらに「Loud Tracker」は、アナログシンセサイザのエミュレーション機能も内蔵している。この機能を使えば、既存のWAV音だけではなく、ちょうどアナログのシンセサイザで新しい音を作るのと同様にして、音を合成できる。使用できるフィルタも数多く、なかなかに本格的なシンセサイザ機能といえるだろう。
このように「Loud Tracker」はなかなか高機能なソフトなのであるが、そのせいか、使い方はやや難しい。メニューやボタンの表示はすべて英語表記であるため、MIDIやシンセサイザに対する基本的な知識を持っていないと扱いは難しいだろう。
(天野 司)
作者のホームページはこちら。
ソフト作者からひとこと
「Loud Tracker」は自分で使うために作りました。テクノのトラックを作りたかったのですが、そういう用途に向いたソフトがなかったので、自分で作ることになりました。また、最近のサウンドカードは高品質になっています。高価なサンプラを使わなくても、それなりのことができるということを実証したいと思いました。
開発で苦労した点は、多くのサウンドカードがDirectSoundに完全には対応していないということです。「Loud Tracker」は「Rebirth」などの他のソフトシンセと連携して動作できるように設計しておりますが、市場に普及しているSB16系のボードでは、DirectSoundによるストリーム再生ができないみたいで、今回はスタティックバッファで再生しています。DirectSoundに完全に対応したソフトであれば、一枚のサウンドカードで、「Loud Tracker」と他のソフトを同時に使うことができます。
使い方としては、サンプルを読み込んで、それを貼り付けていくといった感じです。ベースや効果音的な音は、内蔵のアナログシンセで作れます。インターネット上で完成したトラックを配付する場合は、MPEG AUDIOにエンコーディングするのがベストだと思います。
現在、AWE32(64)へのサンプルの転送機能のテストを行っています。また、シンセプラグインとリアルタイムで動作するアナログシンセを来年の3月にリリースする予定です。自分で使うために作っているので、今後も改善を続けていく予定です。
(石田 渉)
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