画用紙にクレヨンや色鉛筆で絵を描く、いわゆる“お絵描き”は、子どもにとっては普遍的な遊びだ。もちろん画用紙が地面であったり、クレヨンがチョークであったりなど、キャンバスや画材はいろいろあるだろう。「Tux Paint」は、このお絵描きをパソコン上で実現するためのソフトだ。機能は上に紹介した通り、パソコンの知識のある大人向けではなく、文字の読み書きができるかどうかという子どもでも使えるように工夫された、まさしく本来のターゲットユーザ向けのお絵描きソフトだ。今回紹介したのはWindows版だが、OS X向けやLinux向けなどにも提供されており、利用言語も世界各国言語向けが用意されている。
「Tux Paint」の操作は、ほとんどすべてがクリックとドラッグで行える。キーボードを操作する必要があるのは文字入力を行うときだけだ。子どもをターゲットとする以上は当然のことだろうが、これはすなわち、タッチ操作やスワイプ操作中心のタブレットでの操作とも相性がよいことを示している。タブレットがそのままスケッチブックとして使えるようになるわけだ。
このソフト、たしかにユーザインタフェースは子ども向けではあるが、機能的にはほかの人気ペイントソフトと比肩できるくらいは充実しているし、タブレットでの操作が行いやすいという特性を考えると、大人が使っても使いでがありそうだ。いずれにしろフリーソフトなので、手軽に試してみてはいかがだろうか。
(天野 司)