「デジタルノベルとRPGの融合」を合言葉に作成されたゲーム。前半がアドベンチャーゲーム風、後半からはRPG風になるというよくばった作りになっている。オープニングやエンディングなどの要所にドラマシーンが用意されているほか、一部声優のしゃべるシーンなどもあり、ちょっとした映画を観ているような感覚で楽しめる。効果音やBGMも凝っている。
ゲームの舞台は、レグニッツァ地方の北端にあるアンジェラータという小さな村とその周辺。この村に住むシェーラという名の若いルーン使いの女性が主人公だ。彼女は夫との間に赤ん坊を一人もうけ、平和で幸福な日々を過ごしていた。ところがある日、夫の留守中に赤ん坊が原因不明の高熱を発してしまい、彼女は赤ん坊を救う手立てを必死に探し求める……というストーリー。すでに発表されている同じ作者による作品「φ:第1話〜カヱラズノモリ編〜」のプレエピソードという位置づけとなっている。
ゲームの前半は、アンジェラータの村を舞台に、村の住人たちとの会話を通じて赤ん坊を助けるための手がかりを得るというアドベンチャーゲーム風の展開。左右のカーソルキーで村の中を移動し、【Enter】キーで場所を確定。あとは、そこにいる住人との会話が自動的に進む。アニメーションが多用されており、村長の声など人間が声を吹き込んだシーンもあり、演出は非常に凝っている。特にゲームの前半部分はサウンドをOFFにしているとわからない演出が多いので、サウンドをONにしてプレイすることを強くお勧めする。
後半は、雪の森でのRPGだ。伝説の山の主を求めて、アンジェラータの森を踏破する。このゲームでは独自の「8方向移動システム」を採用しており、左右のカーソルキーでキャラクタの向きを1/8(45°)ずつ回転させ、【Enter】キーもしくはスペースキーで前進させる。森の中で出会う妖精たちの言葉などをヒントに、モンスターたちと戦ったり、宝箱を開いてアイテムをゲットしたりしながら、山の主へと続く道を切り開いていくのだ。
森の中には随所に祠があり、そこで休息することでHPとMPを回復させられる。また、条件が整っていれば、祠で自らの魔法を開発したり、魔薬を精製したりすることも可能だ。
「フリージングソウル前編」とあるように、前後編からなるゲームの前半部分である。現在、前後編あわせて作り直しが行われているようで、近日中にシェアウェアとして公開される予定となっている。