デスクトップのマウスクリックなどでポップアップする階層メニュー型のランチャ。ランチャメニューをポップアップさせるには以下の操作で行える。
- デスクトップでのマウスの左クリック(いずれかを選択)
- ダブルクリック
- ゆっくりとシングルクリック
- 【Ctrl】+【Alt】キーを押しながらシングルクリック
- 【Ctrl】+【Shift】キーを押しながらシングルクリック
- ホットキー(初期状態では【Ctrl】+【Alt】+【Space】)
- デスクトップの特定位置(上下左右辺および左上端・右上端・左下端・右下端)へのマウス移動
そのほか、タスクトレイアイコンの左クリックや、タスクトレイメニューからもランチャの起動が可能と、多彩な方法が用意されている。そのため、通常はマウスクリックで、フルスクリーンウィンドウ使用時などには2.や3.の方法で、といった使い分けが可能だ。
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■どこでもポップアップするOrchisのランチャメニュー
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ランチャメニューはWindows「スタート」メニューのツリー形式を踏襲したもの。アイテムの登録は、デスクトップやエクスプローラなどからランチャメニューへアイコンをドラッグ&ドロップするだけでOK。通常はアイテムを開いた時点でランチャメニューは自動的に消えてしまうのだが、メニューのタイトルバー上のフォーカスロックボタンでデスクトップ常駐状態にできるので、この状態でアイテム登録を行えばよい。インストール時にスタートメニューの「プログラム」グループを取り込むことも可能で、アイテムの登録は非常に簡単だ。登録済みアイテムの位置移動もドラッグ&ドロップで行え、またアイテムの削除やセパレータの追加などは右クリックのコンテキストメニューから行える。
登録済みアイテムに対しては、個別にアクセラレータキーを設定できるほか、アイテムがアプリケーションであれば起動パラメータを登録しておくこともできる。アクセラレータキーを設定しておけば、キーボードからのランチャメニューポップアップ+アクセラレータキー操作で、マウスレスですばやくアプリケーションを起動できる。
ユーザが自分で登録するアイテムのほかに、Orchisの標準コマンドとして「ネットワークドライブの割り当て・切断」「ファイルの検索」「デスクトップ(アイテムの表示)」「Windowsの終了」「ログオフ」などのアイテムが用意されており、オプションメニューで簡単に追加・削除ができる。オプションではそのほかにも、フォルダを登録した場合の扱い(そのフォルダを直接開くのか、さらにサブメニューを開くのか)、クイック表示の設定(Orchis起動時にメニューアイテムを一括で読み込み、アイテムの起動を速くする)、表示色のカスタマイズなどが可能だ。
登録済みのメニューアイテムとオプションの情報を「設定ファイル」に出力することができ、バージョンアップの際にファイルを読み込ませて登録する、といった使い方もできるようになっている。テキストファイルなので、エディタで書き換えることも簡単だ。
そのほかにも表示色やタイトルバー文字など、さまざまなカスタマイズが可能だ。
なんといっても使い勝手のよさが光る。作り手が使う側のことを理解し、いかに最小限の手順で目的を達成するかに配慮しているのがよくわかる。
まず評価したいのは、デスクトップのどこでもポップアップできる上、フォーカスロックができる点。通常、ランチャといえば画面の一部に表示されたままか、アプリケーション起動後に消えてしまう。タスクトレイに常駐するタイプであれば、画面右下までマウスを移動させなくてはいけない。どちらも一長一短があるのだが、Orchisでは、ポップアップ型と常時表示の両方の長所をうまく採り入れ、使い勝手を向上させている。マウスをデスクトップの特定位置へ移動させるだけでメニューを表示するといった設定も可能で、ポップアップの場所・方法をフレキシブルに選択できるのがよい。
メニューの表示方法にしても、多数のアイテムがあって一度に表示しきれなくなった場合はスクロールバーが表示されるため、長大なメニューを作ってしまっても操作上、困ることはない。マウスのホイールにも対応しているため、スクロールさせるのも楽勝だ。さらに、アイテム選択時にリングメニュー(一番下に行ったら、一番上に戻る)が使えるという点もポイントが高い。
また、マウスポイントでサブメニューを開くか否か、サブメニューを開く場合は開く速度・閉じる速度を調節できるなど、全体を通してカスタム自由度は非常に高い。スピード派にはもちろん最速設定をお勧めする。ただし、この設定はそれなりのマシンパワーが必要。遅いマシンではある程度のウェイトをかけた方が、うっかりメニューをポイントしてしまったときのイライラがなくなる。
エクスプローラが異常終了した際、道連れにタスクトレイアイコンを消えてしまうが、これに対処するために「シェルダウン後に自動復帰」というオプションが設けられている。これを有効にしておくと、エクスプローラが突然死しても一度消えたOrchisのタスクトレイアイコンが復活してくる(他のアプリのアイコンまで復活させるわけではないが)。ホットキーを設定していないなどの場合に有効な機能で、まさに至れり尽くせりだ。
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