インターネットの利用頻度が高いヘビーユーザを主なターゲットとして開発された、“高い機能性・柔軟性に優れ、ユーザを第一に考えるブラウザ”。「Vivaldi」は、キーボードやマウスジェスチャによる柔軟な操作、ユーザインタフェースのカスタマイズ自由度の高さなどが特徴のWebブラウザ。外観はウィンドウ枠のない、シンプルなフラットデザイン。オープンソースの「Chromium」がベースで、レンダリングエンジンには「Google Chrome」と同じBlinkが採用されている。「Google Chrome」用の機能拡張も利用できる。Operaの共同創設者・Jon Stephenson von Tetzchner氏がCEOを務めるVivaldi Technologiesで開発が進められている。
メイン画面の左側には開閉可能な「パネル」が配置され、ブックマークやダウンロードファイルの一覧などが表示される。パネルは画面右側に移動させることも可能。メニューは画面左上のアプリケーションアイコンから呼び出すことができ、タイトルバー風に表示させることもできる。
ページを切り替えるためのタブは、選択中のものだけが強調表示され、表示中のページに応じてタブの色が変わる仕組み。例えばFacebookにアクセスした場合は、テーマカラーの青へと自動で切り替わる。さらに、
- タブをマウスでポイントした際のサムネイル表示
- 関連するページが自動でひとつのタブにまとめられる「タブスタッキング」
- スタッキングされたタブがタイル表示される「タイリング」
といった機能で閲覧性を高めている(タブスタッキングは手動で行うことも可能)。パネルには、ブックマーク、ダウンロードファイルの一覧、URLやスクリーンショットの保存も可能なメモがリスト形式で表示される。「Webパネル」として任意のページを登録することも可能。ブックマーク、ダウンロードリスト、メモは検索機能を利用して検索できる。ブックマークとメモにはゴミ箱(Trash)が付属し、一度削除したアイテムも復元できるようになっている。
「Webパネル」は、好みのURLを登録しておくことで、メインのブラウズエリアは別のページを閲覧できるようにする機能。タブのタイリング機能と併用することもでき、複数のページをまとめて閲覧できる。
ブックマークは──Webパネルとは別に──オーソドックスなツールバーとして表示させることも可能。複数のブックマークフォルダから「どれをツールバーに表示させるか」を選べる。ブックマークのうち、「スピードダイヤル」フォルダに登録したものは、ブラウザの起動時や新規にタブを開いた際に大型のボタンとして表示される。
ユーザインタフェースでは、マウスやタッチパッドによるジェスチャに対応するとともに、キーボードでの操作も重視されている。例えば【F2】キーの押下で表示される「クイックコマンド」。タブが一覧表示されるほか、すべてのコマンドがひとつのリストにまとめて表示される。リストの最上部にはフィルタ用のテキスト入力エリアが用意され、コマンド名の一部を入力すると、該当するものがインクリメンタルサーチで絞り込まれる。
さらに、ほとんどの操作にはキーボードショートカットが割り当てられ、クイックコマンドのリストにもキー割り当てが表示される。「ヘルプ」-「キーボードのチートシート」でもキー割り当てを確認できる。
ページ上のリンクやテキストボックス、ボタンなどは、【Tab】キーで順にフォーカスが移動するだけでなく、【Shift】キー+カーソルキーで操作することも可能。フォーカスの移動を柔軟に行える。ツールバーには、ページ分けされたコンテンツを読み進んだり、前に戻ったりするときに便利な「早送り」「巻き戻し」ボタンがある(非表示にすることも可能)。
ステータスバーには、表示倍率を変更するためのスライダーや、ページの表示スタイルを選べる「ページアクション」、画像を一時的に非表示にしたり、キャッシュ済みのものだけを表示したりできる「イメージの切り替え」といったボタンがある。
サウンド再生中のタブは、タブ上のスピーカーアイコンをクリックすれば、ミュートのON/OFFを切り替えられる。
設定項目も豊富だ。外観を設定したり、起動時に開くページを登録したりできるのはもちろん、タブの位置やサムネイルの表示、パネルの位置(左または右)などを変更することも可能。キーボードショートカットはフルカスタマイズができる上、簡単にデフォルト設定へ戻すこともできる。プライバシー設定では、Googleのフィッシング詐欺およびマルウェア対策を利用するようにデフォルトで設定されている。Cookieの受け入れに関する指定も簡単に行える。