一問ずつ出題と解答を繰り返し、指定の数だけ出題したら終了というオーソドックスなスタイルのCAIソフト。注目すべきはアプリケーションとしての機能よりも、むしろ「CSVファイルを使ったシンプルかつ柔軟性の高い問題作成機能」だろう。サンプルとして収録されている問題ファイルは三つあり、そのうちのひとつは古文用の単語集で四択式。残る二つは歴史の学習用で、事件の起こった年を数値入力で解答する記述式だ。どちらも問題全体を通じて同じ解答形式になっているが、実は出題形式は同じ問題ファイルの中でも1問ごとに設定できるため、出題パターンが画一化されるのを防ぐことができる。例えば、歴史上の同じ事件を扱った問題でも、
- 年号を問う記述式問題
- 関係者の氏名を選ぶ四択式問題
- 事件の結果の記述が正しいかどうかを問う○×式問題
といったバリエーションを持たせることで、より多角的な学習が可能になる。解説を加えることもできるため、間違いやすいポイントなどを効果的に学習するのにもよい。付属の問題ファイルの数を考えれば、本ソフトのみで特定の学習やテストを行うというよりは、「さまざまな教育用素材を作るためのプラットフォーム」と捉えるのがよさそうだ。
(福住 護)