短時間でサクサクとプレイできる、デストラップだらけのアドベンチャーゲーム。本当に「これでもか」というくらいにアカズキンが死にまくるが、露骨でグロテスクな描写はなく、「キャラクタが死ぬのは絶対に嫌」という方でなければ、楽しめるのではないだろうか。実際にプレイしてみるとわかるが、「こんなところにまでトラップがあったんだ」とビックリする。
エンディングの数は20以上と多いが、1ルートが1分から30分程度と短く、最後の分岐で決まるエンディングも多い。20という数に怯む必要はない。
注意すべき点は、ルートによって屋敷の中の構造や登場人物はもちろん、大神様の正体そのものまでがガラッと変わってしまうこと。そのため「前回こうだったから」という先入観を持ってプレイすると、見落としが大量に発生してしまう。さらに、実に些細な行動でフラグが立ち、状況が大きく変化してしまう点にも注意が必要。わかってしまえば、仕掛けそのものはどれもシンプルなのだが、思い込みの強い人は意外に行き詰まってしまうかもしれない。
ダークな描写が平気な方には特にお勧めの、気軽に楽しめるゲームだ。
(秋山 俊)