自閉症スペクトラムやLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、発達障害がみられる子どもは、「コミュニケーション障害」や「集団活動へ参加の困難」といった問題を抱えている。「心の理論」の獲得が遅れていることが原因で、相手の立場になって考えることが難しいからだと考えられている。「心の理論課題」とは、簡単なストーリーを演じたり、語ったりして示して「登場人物の考えは何か」を当てるテストのこと。実施することでにより、発達段階にある子どもが「心の理論」を持っているかどうかを判定できるという。
「アニメーション版 心の理論課題 ver.2」では、研究者によって開発された代表的な課題が、アニメーションの形で提供されている。発達障害児を支援する臨床家や教育者など、専門的な知識を持つ人の指導のもとで実施することが推奨され、対象となる子どもが、心の理論が正常に発達しているのかを判断するひとつの材料とすることができる。
幼い子どもでも理解しやすいよう、題材、映像、音声なども工夫され、心の状態を把握することができる。
(坂下 凡平)