排他的な海沿いの町で巻き起こる伝奇・猟奇的な事件と、二組の青春・家庭ドラマとを楽しめるノベルゲーム。余命3年と宣告された少女は全国を放浪し、排他的な町で事件に巻き込まれる
「動脈と静脈」は、日本全国放浪の旅を続ける少女が寂れた町で恐怖と狂気の体験をするノベルゲーム。メインシナリオのクリア後には、一転して青春・家庭ドラマ風の2本のおまけシナリオをプレイできる。総プレイ時間は12〜13時間とボリューム満点。
物語の主人公は「松岡智子(まつおかともこ)」。若くして癌に冒され、手術の甲斐もなく再発してしまう。余命3年と宣告された智子は、どうせ死ぬなら誰よりも日本を見て死んでやろうとの想いから、日本全国を旅して廻る。
宣告から1年後、智子は海沿いの寂れた田舎町にたどり着く。その町から見る海の景色を気に入るものの、町の人たちの排他的な視線を感じていた。その町には宿屋もなさそうなことから、隣町に移動しようとしたと、バス停のそばで10歳くらいの少年に出会う。少年の名前は「前原理軌(まえはらりき)」。人懐っこい理軌の強い勧めで、智子は前原家に宿泊することになる。
そして智子は、この排他的な町でさまざまな人に出会い、事件に巻き込まれてゆく……。
個性豊かな6人のキャラが主人公とともに中心人物として活躍する
「前原理軌」は、町で智子が最初に知り合った少年。人懐っこく素直で純真。左耳がなく、理軌いわく「お母さんが食べちゃったんだ」。父親は亡くなっており、木造トタンの平屋に母親と二人で住んでいる。
「前原すみれ」は理軌の母親。パッと見は20代かと思わせる顔立ちの美人。心優しくマイペースな女性で、智子を快く家に迎え入れてくれる。
「沙江島凛(さえじまりん)」は活発で明るく、まっすぐな心を持つ女子高校生。反面、どこか頑固な面もある。茶道部の部室を喫茶店代わりに使っているが、部員ではない。本人いわく「帰宅部のエース」。
「あき」は、隣町に住み、舞台の町の高校に通う男子生徒。不良であり、近所に住んでいないよそ者を嫌う。凛とは仲がよい。
「霧里千早(きりざとちはや)」は、凛とあきが通う学校で養護教諭として働いている女性。顔つきもよく、クールで男前な性格。勤務中によくパソコンでゲームをしており、心を開いた相手には毒舌を吐く。
「霧里茜(きりざとあかね)」は千早の妹。小学生。姉とは違い、無口でほとんどしゃべらない。方向音痴でよく迷うが、見かけによらず足が速く、学年で一番を取るほど。
これら6人のキャラが、物語の中心人物として活躍する。