命にも関わる病気で入退院を繰り返す大学生の主人公と、主人公が「親友」と信じる同窓のヒロインとの物語が描かれたビジュアルノベル。大学と病院を舞台に展開される、切なくも甘酸っぱい青春物語
「あの丘の上まで2」は、ひと組の大学生の男女を主人公にしたビジュアルノベル。他人との交流にトラウマのある二人が互いの存在によって傷を克服し、さらなる苦難を乗り越えてゆく姿が描かれる。前作「あの丘の上まで」の主人公とヒロインも登場する。闘病生活の末に迎える結末は果たして……。
物語のヒロインは「親導(しんどう)ゆい」。ひどい吃音により、幼いころから喋り方を嘲笑されてきた。それが嫌で口を閉ざし、他人とのコミュニケーションを極力避けるようになっていた。人と接することそのものを恐れていたが、内心ではありのままの自分を認め、受け入れてくれる他者との繋がりを切実に求めていた。
主人公は「友生達美(ゆうきたつみ)」。一見社交的で友人も多そうに見えるが、内心では小さなころに犯した過ちからくる後悔とトラウマに苦しめられていた。やはり心の底からわかり合える、真の友人を欲していた。
大学で二人はあることをきっかけで出会い、徐々に親しくなっていった。だが、達美にはセンター試験前に受けた、命に関わる病気の手術歴があり、再発によって再入院しなければならなくなってしまう。大学の仲間たちの見舞いが遠のくなか、足繁く病院を訪れるゆい。果たして二人の関係はいかなる結末を迎えるのだろうか……。
若者二人と、二人を支える大人たちによって物語は展開される
「友生達美」は19歳の大学2年生。背はあまり高くなく、細身。顔全体がスッキリとして、爽やか。やや童顔。明るく社交性が高く、友人が多いように見える。しかしそれは、幼い頃にいじめを受けていたことで身につけた社交性ゆえ。心を許した友人はいない。アニメやゲームが大好きなことは隠している。子どものころに犯した過ちにいまでも苦しめられている。
「親導ゆい」は、達美と同じ19歳の大学2年生。ひどい吃音によるコンプレックスがある。自分のことを無口かつ根暗で、見かけもよくないと思っているが、艶のある長い黒髪で、よく見ると整った顔立ちをしている。磨けば光るタイプ。一見無口、無表情だが、実は人懐っこい。甘い物が大好きで、マンガ・アニメ・ゲームなど、オタク文化を愛している。
「天風明(あまかぜあきら)」は25歳のフリーター。達美が入院している病院のカフェで店員として働いている。仕事中にもかかわらず、達美に遠慮なく話しかけ、相談にも乗ってくれる、面倒見のよい兄貴分。
そのほかにも、研修医の「新海進(しんかいすすむ)」、病院の受付で働く、茶目っ気のある女性「日向灯(ひなたあかり)」などが物語を彩る。