CD/DVDといった「光メディア」は、いまのように半導体メモリやハードディスクが大容量化・低価格化する以前は、安価で大容量の記憶メディアとして重宝されてきた。そうした光メディアにデータを書き込む「ライティングソフト」も、多くの種類が登場し、高性能化を競っていたものだ。しかし最近では、一般向けでは最大容量であるBlu-ray Discでさえ100GB程度、デスクトップ用のハードディスクはもちろん、ノートパソコン用のハードディスク/SSDでも、複数枚のメディアを用意しなければデータをすべて書き込むことができない。しかも、スマートフォンやタブレットの普及により、従来では考えられなかった超高解像度の動画再生機器が手のひらに収まる時代になった。こうしたモバイルデバイスに対し、直径12cmもの大きさを持つ光メディアはあまりにサイズが大きすぎる。
要するに「12cm光メディア」というのは、もはやデータ記録メディアとしては時代遅れになりつつあるということ。当然、ソフトの側もそうした時代の流れに追従することが必要となってくる。
ライティングソフトの一角として名を馳せた「Roxio」も、当然そうした流れは押さえており、いまや「ライティング機能もある、マルチメディア統合ソフト」に姿を変えた。しかもその機能レベルはすごい。動画・音楽・静止画、いずれの分野をとってみても、それぞれの分野の専用ソフトと比較しても引けをとらないどころか、上回る部分さえめずらしくない。実際、「パソコンを使って何でもやりたい」という向きの人にとっては、個別のソフトを買い揃えるのは大変だが、「Roxio NXT Pro 2」ならば、これ一本で済むわけで、かなりのお買い得と考えてよい。
機能的にも不満を感じる部分はなく、「幅広くマルチメディアを扱いたい」という人にとっては有力な選択候補だ。
(天野 司)