アナログ音源から録音されたファイルのように「複数の楽曲が含まれる音楽ファイル」を曲の切れ目で分割し、個々のファイルにタグ付けを行えるソフト。「MusiCut」は、カセットテープやアナログLPレコード、ラジオなどのように、複数の楽曲が含まれるソースの「曲の切れ目」を見つけ出し、楽曲ごとに個別のファイルとして切り出せる音楽ファイル編集ユーティリティ。画面に表示される波形を確認しながら、曲の切れ目を確実に指定することが可能。さらに自動で曲同士の境目を見つけ出す機能もある。曲として切り出したファイルに、曲名やアーチスト名などの音楽タグを付加することも可能。
使用するには、まず、切り取り元となる音楽ファイルを読み込む。例えばアナログカセットテープやLPレコードなど、複数の楽曲を含む音楽ソースが一気に取り込まれたファイルが対象となる。読み込み可能なファイル形式はMP3/WMA。
ファイルの読み込みが完了すると、メイン画面には音楽ファイルの「波形」がグラフィック表示される。波形グラフの下部にはスクロールバーが用意され、左右にスクロールできるほか、再生コントロールボタンにより、音楽ファイルを再生することも可能。これらの操作で曲と曲との「切れ目」を探し出し、「マーク」ボタンでカット位置をマーキングして、1本の音楽ファイルを複数に分割。1曲1ファイルとして保存できる。
カット位置を自動検出する「自動マーク」機能もある。自動マークでは「再生ボリュームがフルボリュームの何%以下で何ミリ秒続くと無音と判断するか」の「しきい値」と「長さ」、さらに「次に音が鳴るまでの時間の何ミリ秒前をカット点とするか」の「オフセット」の各パラメータを設定することが可能。音楽ファイルの無音区間が自動的にマークされる。元ファイルのノイズが少なければ、自動マークでも十分な精度を得られるが、マーク位置は手動で修正することも可能。納得のゆく分割を行える。
切り出された音楽ファイルに、曲名やアーチスト名といったIDタグを付加することも可能。楽曲情報には、Gracenote社がサービスする音楽認識サービス「MusicID」が使用される。ファイルの冒頭の内容をもとに曲名、アーチスト名、収録アルバム名、リリース年度といった情報が自動的に取得され、IDタグとしてファイルに埋め込まれる。「MusiCut」でカットされたファイルだけでなく、既存の音楽ファイル(MP3/WMA)であれば、同様に利用できる。
そのほか、認識された曲情報やアルバム情報をもとに、ファイルを「アーチスト名\アルバム名\曲名」といったフォルダ構成でコピーできる、ファイルの整理機能もある。