見かけは地味で素っ気ないが、ダンジョンの数が非常に多く、サブイベントも充実している。じっくりと楽しめる“骨太のゲーム”だ。引き継ぎ方式を指定して、二周目以降をプレイできるのもうれしい。ただし、ゲームのテンポを最優先し、テンポを阻害する要素をとことん排除していることもあり、最近のゲームに慣れた目からは取っつきがよいとは言い難い。まるでパソコンゲーム初期のRPGをプレイしているかのような感覚だ。街などでの人々との会話も、簡素なテキストによるやり取りのみなので、最初のうちは非常に素っ気なく感じられる。
しかし、見かけとは裏腹に、システムそのものはかなりよく考えられ、作り込まれている。ダンジョンもただ数が多いわけではなく、それぞれ趣向が凝らされており、ゲームバランスもなかなかのものだ。人々との会話によって新たな街や村、ダンジョンの位置がわかり、行けるところがどんどん増えてゆくのも楽しい。
演出こそ地味だが、「ガッツリとRPGをやり込みたい」という人に強くお勧めしたいゲームだ。
(秋山 俊)