オリジナリティが高く、ゲームバランスもよい長編ファンタジーRPG。ダンジョンを攻略しながら力を蓄え、最後の敵の打倒を目指す。90近いダンジョンを好きな順番で攻略できる、フリーシナリオ風のゲーム
「Amateur's Garden」は、90近いダンジョンが用意された、フリーシナリオ風の長編RPG。プレイヤーは好きな順番でダンジョンを攻略し、ストーリーを進めてゆける。サブイベントも充実している。
ゲームの舞台は、海によって隔てられた、五つの大陸からなる世界。かつては、森と湖の国として知られる温和なアリシア王国、海運国として名高く、快活なタミア王国、厳しい気候に耐える、剛健なアンダス王国の三大国が支配していた。ところがあるとき、それぞれの国の国王が交代し、新王たちが揃って下衆だったことから状況は一変する。
三人の王たちは互いに宣戦布告することなく侵攻を開始し、血を血で洗う泥沼の闘争を繰り広げた。そして、ついにはアンダス王国が他国を滅ぼし、世界の覇権を握る。
アンダスの統治は過酷を極め、人々は死と飢えと貧困にあえぎ、苦しみ続けた。それから20年ほどの年が流れた時代が物語の舞台。アンダス王家統治下の世界は、理不尽な政策がまかり通り、いまだに憎悪と殺戮の嵐が吹き荒れているものの、人々は互いに支え合い、世界はそれなりの復興を果たしていた──こうした舞台設定の上で、主人公は世界各地を旅して魔物や盗賊などと戦いながら、数多のダンジョンを攻略してゆく。
エンディングに至る道は、違約金を稼ぎ出すか、国王を打倒するか
プレイヤーが操作する主人公は、名前と性別を自由に設定することが可能。性別による能力の違いなどはないが、仲間にできるキャラクタが一部変化したり、イベントが変化したりといった違いがある。
主人公は、アリシア大陸の中央にある名もなき小さな集落で生まれ育ち、魔物討伐隊の新入隊員として生活をはじめていた。ところがある日、アンダス国王と配下のアンダス正規軍殲滅部隊によって集落は焼き払われ、集落の人々も殺されてしまう。
ただ一人逃げ延びた主人公は生きるために、仇であるアンダス国王のもとで魔物討伐を行う傭兵として働くことになる。だが、討伐するのは本物の魔物だけではない。魔物と称して、アンダス王に反旗を翻そうとしている人々も討伐の対象となっていた。
しかもアンダス王の人使いの荒さは有名。機嫌を損ねた者には過酷な運命が待ち受けている。ずっと働き続けていれば、やがては使い潰されてしまうだろう。その地獄から抜け出す道は二つ。
一つは「違約金を払って、傭兵を辞める」こと。そのためには、違約金100,000にその後の生活費を加えた110,000ほどを稼ぐ必要がある。もう一つは「王を倒す」こと。しかし、王は直属の騎士に守られている上、本人も異常なほど強い。その強さたるや、半ば神のような存在で、人々の守護者であったアンダスの守護竜「ストラウス」を歯牙にも掛けないほどだ。
いずれの道を選ぶにしても、まずは仲間を二人集めて、魔物討伐を行いながら、力を蓄えるほかはない……。
一見、昔のゲームのようだが、無駄な演出がなく、戦闘は軽快で楽しい
ゲームシステムは非常にオリジナリティが高い。最大の特徴は「街の中などでの移動が一切ない」こと。街の中に入ると、右側にアイコンが並ぶ画面に切り替わり、ここでアイコンを選んで階層を掘り下げ、街中での行動の代わりとする。最上位のアイコンには「イベント」「情報収集」「物資購入」「装備の改良」「仲間の募集」「出発」などが並ぶ。情報収集を選択すると、その下には「世間話」「仕事の話」「金目の話」などが並び、さらにそこから一つを選ぶと、街にいる対象のキャラがリストアップされて、話題を選んで話を聞ける。街の中を歩き回って話しかけることなく、効率よく目的を果たせるようになっている。
ダンジョン内では一般的なRPGと同様に移動でき、ランダムエンカウントとシンボルエンカウントによって魔物や盗賊などと戦闘する。ただしダンジョン内は暗く、洞窟探検用光源の光が届く範囲しか見渡すことができない。
戦闘も画面右側に並ぶアイコンを使って行うが、独特なのが「援護攻撃モード」だ。選択すると、当該キャラのターンでは攻撃を行わない代わり、指定した味方の攻撃時に連携攻撃を行う。攻撃力や命中率がアップし、反撃封じなどの効果も発生する。単独では使いづらいキャラも「援護攻撃モード」を活用すれば、役立つキャラに大変身。HPが0になったキャラも──戦闘には参加できないものの──道具は使用できる点もユニークだ。