168種類もの美しいカードが用意されたオリジナルカードゲーム。カードは最初からすべてを使用できるわけではなく、ストーリーに沿って敵と戦い、敵の使ったカードを覚えることで、少しずつ使えるものを増やしてゆく。増やしたカードをうまく組み合わせて、できるだけ強いデッキを組み上げることがゲームの目的のひとつ。もちろんストーリーのクリアを目指すことも目的だ。証を集めたり、ストーリーの謎を解き明かしたりと、やり込み要素も数多く用意されている。最初にクリアするまでは、負けても到達した階から再チャレンジできる「塔をゆっくり登る」モードでプレイし、クリア後は、負けたら1階からやり直しとなる「塔を駆け上がる」モードでプレイするのがよいだろう。
操作性もよく、「記憶の鏡」をクリックすることで表示されるヘルプも充実している。完成度の高いゲームだ。
強いて難点を挙げるとすれば、カードが発動したときの演出に乏しいことだろうか。「記憶の鏡」の内容をしっかりと読んで、ルールなどをきちんと把握していれば問題ないのだが、それを怠って適当にゲームをはじめてしまうと、何がどうなっているのかわからないうちに、戦闘が終わってしまう。「記憶の鏡」も単なるヘルプではなく、「シャドウ」という案内人がアドバイスをしてくれる形式の演出がなされており、「パッと軽くゲームの進め方を確認する」といった使い方には向いていない。
(秋山 俊)