Windows互換レイヤ「CrossOver Mac」の新バージョン。従来は別売だった「CrossOver Games」が統合され、ビジネス系アプリケーションだけでなく、Windows用のゲームも楽しめるようになった。「CrossOver Mac」は、Windows互換APIを利用して、Intel Mac上でのWindowsアプリケーションのネイティブ動作を可能にする互換レイヤ。Windows OSやドライバ類のインストールは不要。軽快に動作する。新バージョン「11」では、「CrossOver Games」が統合されたほか、ソフトウェアインストーラからのアプリケーションリストのアップデートや、「CrossOver Mac」自体のオートアップデートも可能になった。サポートアプリケーションリストには、新たに「VOCALOID3」「一太郎2012 承」「ホームページ・ビルダー 16」が追加された。
「CrossOver Mac」では、Windowsのバージョン別に仮想環境(ボトル)を構築し、ボトル内にアプリケーションをインストールする。ボトルを複数用意することにより、異なるWindowsのバージョン(Windows XPとWindows Vistaなど)をOS X上で同時に動作させることができる。
利用できるアプリケーションは、
- サポートアプリケーション(開発元・CodeWeavers社が正式に動作を保証するもの)
- 未サポートアプリケーション(一般ユーザが作成した「CrossTie」ファイルを利用してインストールするもの)
に大きく分けられる。サポートアプリケーションには、Microsoft Officeやジャストシステムの「一太郎」、さらにはビジネスアプリケーションのデータ閲覧用ソフト「一太郎ビューア」などが含まれる。新バージョン「11」では「CrossOver Games」が統合され、使用できるアプリケーションがゲームにまで広がった。「CrossTie」は、アプリケーションのインストールや実行を正常に行うための情報が記述されたXMLファイル。CodeWeavers社のサーバには、未サポートアプリケーションを動作させるためのCrossTieデータベースが用意され、アプリケーションリストから直接アクセス(ダウンロード)できるようになっている。
アプリケーションをインストールするには、ソフトウェアインストーラを起動して、ウィザードの指示に従って操作する。(基本的には)アプリケーションリストから利用したいものを選び、インストーラの場所(ファイル)とインストール先(ボトル)を指定するだけでよい。リストにないアプリケーションでも、インストーラを指定することにより、手動でインストールすることが可能。CD/DVDメディアからのインストールでは、Autorun(自動実行)にも対応する。
インストールが完了すると、Windowsアプリケーションのアイコンが「CrossOver Mac」フォルダ内に作成され、ダブルクリックで起動できるようになる。Dockにアイコンを登録することも可能だ。
Windowsアプリケーションは、MacアプリケーションやFinderのウィンドウと並べて操作できるのはもちろん、「Windowsアプリケーションにクリップボードアクションを渡す」ことも可能。そのほか、Macの【option】キーをWindowsの【Alt】キーに割り当てられるなど、Mac/Windowsのアプリケーションをシームレスに使うための機能が用意されている。