アマチュアボクシングの試合の感覚をかなり忠実に再現した3Dボクシングゲーム。常に自分のスタミナの残りを意識しながらパンチを繰り出し、相手よりポイントで上回るように試合を組み立ててゆく。ノックアウトを狙い、強引に前に出ながら闇雲にパンチを振り回していると、途中でスタミナが切れ、ピンチに陥ってしまう。冷静・着実に戦うことが求められる。操作はマウスだけで行うが、独特なため、慣れないうちは結構、戸惑う。とりわけ、移動中は移動だけ、パンチを出すときはパンチの操作だけ、それも左のパンチを出すときは左手の操作だけ、右のパンチを出すときは右手の操作だけといった具合に、一度にひとつの動きしか操作できない点が難しい。
距離感はかなりシビアだ。踏み込みすぎるとグラブタッチとなり、かといって離れているとパンチが届かない。それにもかかわらず、移動して距離を微調整しながらパンチを出すことができないので、筆者は慣れないうち、ストレート系のパンチをまったく使いこなすことができなかった。
「マウスでボクシング」をプレイする上で最も重要なことは、強引にパンチを繰り出して相手をねじ伏せようとするのではなく、こつこつと地道にポイントを積み重ねること。それさえ意識できれば──難易度は控えめに設定されているので──対戦相手に勝つことは難しくないだろう。
(秋山 俊)