「SELECTION [セレクション]」で最も魅力的な要素は、やはりアクション性の高い、爽快感溢れるバトルシステムだ。ゲームの冒頭、特に詳しい説明もないままバトルに突入するが、ここでプレイすることで、操作方法をほぼ理解できるようになっている。この「習うより慣れろ」というやり方は、個人的に非常に好ましく感じた。筆者はあまりアクションが得意な方ではないが、戦闘で詰まることはなかった。上でも書いたが、ボタンを連打するだけでコンボがつながる初心者向けの操作方法が用意されているので、アクションが苦手な人も安心して遊ぶことができる。序盤やザコ戦では、ボタンを押しまくっているだけでなんとかなる。しかし、ボス戦となると、やみくもに突っ込んでゆくだけでは、返り討ちに遭ってしまう。敵の攻撃パターンを見極めながら、防御コマンドなども駆使して戦いたい。
難易度を多少、上げていると感じられるのが、エンカウント率が高い点。一回一回のバトルはそれほど大変ではないのだが、連戦しているうちにHPが減り、回復アイテムを手放せなくなる。HPの回復は魔法などでも行えるので、移動中などもこまめに回復しておくと安心だ。戦闘だけでなく、ダンジョン内に設置された仕掛けを解くのも楽しみのひとつ。こちらも少々難易度高めの、歯ごたえのある謎解きとなっている。
キャラクタ同士の会話をきちんと聞きながら、いろいろと寄り道してプレイすると、20時間以上はたっぷりと遊べる。「ゲームパッドを使用して、ガンガンとキャラを操作しながら冒険したい」というアグレッシブなRPG好きプレイヤーに、ぜひ遊んでいただきたい。
(早川 陽子)