シンプルで、使い勝手のよいアプリケーションランチャ。余計な──というと言葉が悪いのだが──装飾を排した、アプリケーションランチャに必要な要素をそのまま形にした印象だ。例えば、アイテムの登録がドラッグ&ドロップでできるのは、現在のアプリケーションランチャでは当たり前のようになっているが、「Quick Pop Menu」ではあえて「指定フォルダに(自分で)ショートカットを作る」という方法を採る。一見、面倒なようにも思えるが、ランチャへの登録作業は頻度の高いものではないし、アイテムを階層管理しようと思うと、かえってこの方が楽だったりもする。シンプルというのは、そういう意味だ。
また、「普段は隠しておくメニューやボタンをどうやって呼び出すか」というのが、ランチャの性格を決める要素だが、これについてもシンプルにホットキーが採用されている。ただ、ホットキーは融通の利くもので、キーとマウスボタンを組み合わせることができる。もちろんキーだけ、マウスボタンだけでもよいのだが、この柔軟さが魅力のひとつだ。
ショートカットを配置するフォルダをコマンドラインで設定できるのも、使い方の幅を広げてくれる。作者が公式ページで紹介しているように、マウスボタンに実行パスを割り当てる機能を使えば、「マウスの拡張ボタンで独自メニューを呼び出す」といった使い方もできる。仕様はシンプルだが、柔軟に使い分けることができる点が、このソフトの使い勝手をよくしている理由だろう。
(土屋 佳彦)