「地底血花洞 第一部」では、ゲームをはじめる前に「NORMAL」「EASY」から難易度を選択できる。ただしEASYだからといって、簡単にゲームを進められるわけではない。回復を怠っているとすぐに死んでしまうので、油断は禁物。オートセーブのため、「好きなところでセーブをして、ピンチになったらロードしてやり直す」ことができないのもつらいところ。NORMALだとわりとすぐ敵に殺されてしまうので、難しい戦闘が好きという人はぜひNORMALでチャレンジしていただきたい。ダンジョン探索に重きが置かれているため、ストーリー自体はそれほど重厚というわけではない。しかし、主人公の立場やオルエットをめぐる人間関係、そして地底を襲う災いの正体など、ミステリアスな要素が満載で、先へ先へとゲームを進めたくなる作りになっている。
キャラクタも、主要キャラから敵キャラ、サブキャラに至るまで個性的。会話を読んでいるだけでも楽しかった。特に、きついことを言いながらも、序盤から何かと助けてくれる「カルティノ」は、外見の愛らしさも手伝って、非常に愛着の湧くキャラクタだ。
グラフィックの美麗さにも注目したい。小さな体で大きい槌を持つ、アンバランスなカルティノのかわいらしさは言うまでもなく、男性陣もイケメン揃い。敵のグラフィックも丁寧に描き込まれ、目でも作品の世界を存分に楽しませてくれる。くるくると変化するフェイスグラフィックにも注目してほしい。
非常にやり応えがあり、ダンジョンを踏破してゆくタイプのRPGを好む人にお勧めしたい作品だ。なお「地底血花洞」は二部形式となっており、「第一部」は無料の体験版にあたる。第一部だけでもストーリーは完結しているので、気になる人はまず無料の第一部をプレイしてみてはいかがだろうか。
(早川 陽子)