ソフトを開発しようと思った動機、背景
「子ども時代に遊んでいたファミコンに、こんなのがあればよいな」と思って、開発しました。ファミコンチックなアクションゲームやミニゲームなどは数多いので、あえてロールプレイングを作りました。“王道”ともいえる「冒険者であるプレイヤーに王様(本作では王子)から、魔物退治の依頼が来る」という切り口で物語ははじまり、町で装備品や回復薬の身支度をし、「装備品は装備しないと効果がないよ」と言う町人が現れ、町から旅立つ……。
本作は、そんな定番を入れつつ、定番でないシステムやストーリー展開を盛り込んだロールプレイングゲームになっています。
開発期間はおよそ9ヵ月で、ゲーム制作はBGMやSEを除いて一人で行いましたが、エディタ制作では、インターネットで知り合った友人たちの協力を得ました。
開発中に苦労した点
限りなくファミコンに近いゲームにしたかったので、ファミコンのゲーム画面を見たり、ファミコンの攻略本に掲載されている写真を見たり、いろいろと参考にしました。
「Diablo」が好きだったので、装備品を装備するのに必要になる各種ステータスがあって、レベルアップ時に目的のステータスを上げられ、ステータスを上げるアクセサリもある……そんなシステムを入れました。
戦闘中のメッセージも「○○○が なげキッスをした!」「○○○は つぼに こもった!」「○○○は にやにや わらっている!」など、多様な言葉が飛び交うようにしました。
ただ文章量が多く、全部流すと戦闘が長くなるため、戦闘中メッセージの簡略化も可能にしました。使用方法はファミコンの取扱説明書風の同梱のマニュアルに目を通してみてください。
もともとロールプレイング自体、プログラムしたことがなかったので、苦労は絶えませんでしたが、フェードに掛かる時間や書き換え数なども、繰り返し見ながら研究しました。さらにグラフィックの色数やサウンド、インタフェース、画面のフェード、演出方法……などなど、限りなくファミコンに近づくよう努力しました。
最後にみなさまへ
ストーリーの出だしは、王道で定番の魔物退治からはじまるのですが、序盤で真相がガラリと変わり、新しい戦いへと赴くことになります。
町人や城内の人の会話も結構ストーリーに関することが多いので、耳を傾けてみてください。違う真相が見えてくるかもしれません。最後までプレイしていただければ、隠された真相に繋がると思います。
このゲームは、歩くのは遅いし、ダッシュもできない。戦闘コマンドの記憶もない……。現代のように便利なインタフェースでなく、人によっては不便だと感じるゲームですが、「ファミコンはこうだった」ので、ファミコンを知らない世代の方にも触れてほしいです。
もちろん、ファミコンを知っている世代の方にも、昔懐かしいようで新しい、ファミコンチックなオリジナルRPGをぜひプレイしていただきたいです。
(VeLTiNA)