実行ファイルを起動するだけで、LAN上のユーザとメッセージをやり取りできる手軽さが魅力。送受信の操作も簡単で、パソコンに詳しいユーザがいないオフィスでも、簡単に導入できるだろう。ファイル送信に関しては、相手が受信要求に応じない限り送られることはない。言い換えると、不信なファイルの受け取りを受信側で拒否できるというわけだ。とても手軽に使えるソフトなのだが、「不在設定」は、初期状態では登録されていないので要注意。「不在設定」のメニューを開いても中は空っぽで、設定自体はオプション画面で行う必要がある。慣れた人にとっては大した手間ではないが、ほかの機能があまりに簡単に使えるだけに、ちょっと気になった。不在設定も一つぐらいはあらかじめ設定されていれば、さらに親しみやすさが増すことだろう。
基本が簡単な一方で、細かい設定ができるのも特徴だ。一見しただけではよくわからない「封書送信」も、実はオプション設定に「封書開封時にパスワードを要求する」という項目があり、メッセージの安全性を高めることができる。受信メッセージをすべて封書扱いにしたり、ログビューアにパスワードロックをかけたり、メッセージそのものを暗号化して送信したりなど、セキュリティ面にかなり配慮されているもうれしい。
(福住 護)