デスクトップ画面を動画で録画する──人によっては「なぜ、そんなことが必要なのだろう」と疑問に思うかもしれないが、ある種の仕事をしている人にとっては、実に重要な機能だ。「ある種の仕事」とは、アプリケーションの取り扱い説明、すなわちヘルプを作る仕事のこと。昔は取扱説明書といえば紙に印刷されたものであったため、動画などは必要なかったが、最近はパソコン上で見るヘルプが主流。複雑な操作なら、言葉にするよりも動画にする方がずっとわかりやすい。ところが、操作画面の録画は──実際にやってみるとわかるが──かなり大変だ。ビデオキャプチャボードのようなハードウェアと違い、パソコンの画面を取り込むというのは意外に速度が遅い。本来のアプリケーションの操作と取り込み操作が並列して動くだけに、パソコンの負荷はますます高くなる。
そうした悩みを持つ人にとって、「AG-デスクトップレコーダー」はお勧め。同種ソフトに比べ、遥かに軽い動作で、しかも高画質な録画が可能で、まさに福音といってもよい。ここまで動作が軽いと、これまでは到底無理だった「パソコン上で再生中の動画を、さらに動画として録画する」ということまでも視野に入ってくる。メディアプレイヤーなどで再生される動画をそのまま動画として録画してしまうというわけだ(ただし、ハードウェアオーバーレイ再生画面を除く)。
試しに行ってみたところ、あまりに領域が大きい場合を除けば、再生中の動画もかなりスムーズに録画できた。例えば、ローカルにダウンロードできないストリーミング動画などでも、「AG-デスクトップレコーダー」ならば録画できる。本来の(通常の)操作画面の録画のみならず、新たな応用さえも実用的にしてしまう、すごいソフトだ。
(天野 司)