【恒例】年末・年始特別企画 | ベクターソフトニュース - 2002.12.28 |
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■執筆者(五十音順) 秋山 俊|天野 司|階堂 綾野|倉本 春|坂下 凡平|土屋 佳彦|永浜 裕之|練馬 ベク蔵|福住 護|三浦 恵三 このページを友だちに教える |
坂下 凡平 SAKASHITA Bonpei Balloon in the Sky Pressure's Piece/SpidersWeb |
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2002年に印象に残ったオンラインソフトといわれたら、迷わず「Balloon in the Sky」と「Pressure's Piece」の2本の“崩しモノ”ゲームと、独特の雰囲気をもった「SpidersWeb」を挙げたい。前二者は偶然にも、いわゆるテトリス型のパズルゲームだが、“落ちモノ”ではない。テトリスをアレンジしたゲームはこれまでにもいくつもあったが、どれも本家に出合ったときの強烈な衝撃にはかなわない、というのが正直なところ。この2本はもちろん、テトリスから着想を得ているはずだが、両者は似ているようで全然似ていない。それぞれ作者自身のユニークなアイデアとオリジナリティを加え、独自の進化を遂げているのだ。
まず、筆者がハマッたのが「Balloon in the Sky」だ。テトリスとよく似た箱型のフィールドには、いろいろな色(5種類)、サイズ(4段階)の風船が並んでせり上がってくる。プレイヤーは、フィールド内を自由に動くガスボンベを使って、これらの風船を1段階ずつ膨らませる。同じ色の満タンの風船が4個以上連なると浮かんで飛んでいくので、同じ色が続いている個所の風船を膨らませるのがゲームの基本である──これだけでは、単なる風船膨らましゲームかと思われそうだが、ポイントは「風船」の特徴をうまくルールに利用しているところだ。 満タンの風船にさらにガスを入れると、割れて消えてしまう。また、飛んでいった風船の位置にも隙間ができるので、空いた隙間に上から風船が落ちて隙間が埋まる。これによって風船の配置が変わって、ゲーム的な要素が出てくるわけだ。もちろん連鎖もある。ひとつは配置の変化で再び浮かび上がる風船ができること、もうひとつは、浮かんだ風船が飛んでいる間に別の風船を飛ばすことで、いずれも高得点が期待できる。 ガスボンベにも「仕掛け」がある。プレイヤーは風船そのものを動かせるわけではないので、邪魔な風船はガスを過剰に注入し、パンクさせて消す必要がある。そのガスボンベには当初、100の容量があり、風船の注入で1、パンクでは3のガスが消費される。逆に、風船を飛ばしたときと、せり上がるときにはガスが補充されるが、ガスがなくなるとゲームオーバー。このようにボンベの容量が無限ではないのも、ひとつのカギになっているのだ。 風船はゆっくり1段階ずつせり上がるのだが、色とサイズがばらばらの風船の並びを、目で追っているうちに時間は結構かかっている。最初のうちはゆとりがあるが、次第に小さな(膨らんでいない)風船の比率が上がるので、慌ててしまう。 一見、楽そうに感じるゲームだが、実際にやってみると瞬時の判断力、そして反射神経が必要なことがわかるだろう。このあたりのスピード、そして出てくる風船の配置が絶妙のバランスで、何気なくやってみるとみるみるうちにハマッてしまうこと請け合い。 今年の筆者のイチ押しゲームとして、アクションパズル好きにはぜひお勧めしたい。
こちらはもう少しオーソドックス(!?)なブロック崩しゲーム。プレイヤーは、キーボードでポインタを移動して、まずブロックの1個をマーキングして点滅させ、それと同色のブロックを続けてマーキングする。マーキングされたブロックが一定数に届くと、今度は別のキーでブロックを破壊できる──要するに、同じ色をできるだけたくさんマークすればいいわけだが、マーキングのちょっとしたルールがこのゲームのおもしろみを増している。 まず、縦・横に連続したブロックは、1個をマークする操作でまとめてマーキングできるので、なるべく広くブロックが連続している部分をマーキングすることがポイントになる。また、一度ある色のブロックをマーキングすると、破壊するまでは、マーキングできるのはその色だけになる。マーキングを途中で解除できないのだ。したがって、下からせり上がってくるブロックのうち、はじめにどの色をマーキングするかが、ゲームの分かれ目になることもある。できるだけ数の多いブロックを一瞬に判断してマークしないと、あとで泣きを見ることになる。 もうひとつが2種類ある連鎖。ひとつはブロックが破壊されてできた空間に、上から落ちてきたブロックがはまり、そこでまた一定数以上にまとまっているときに起きる「崩落連鎖」。もうひとつがブロックの破壊後、一定の有効時間内に次のブロックを破壊したときに起きる「時間連鎖」だ。時間連鎖は有効時間内であれば、何度も連鎖が続けられ得点が高くなっていく。 物悲しげなBGM、ブロックが崩壊するときの豪快な効果音、デッドラインが近づくと鳴り響く警告音(アラート)、さらに時間連鎖になると画面上で始まる「有効時間のカウントダウン」など、ドラマチックな(というかプレイヤーを焦らせる)味付けがいろいろと用意されていて、スリルを盛り上げてくれる。シングルプレイだけでなく対戦モードもあるので、また別のスリルも楽しめる。 一定のレベルをクリアするごとに登場するエキストラブロックでは、フィールド内のブロックのうち1色だけをいっぺんに破壊できる。ブロックの塊が、あちこちで爆音とともに一気に破壊される爽快さは、一度体験したら忘れられないはずだ! いやホントに。 (最近のゲームに共通しているが)音がとてもグゥなので、ぜひともステレオサウンドにするか、ヘッドホンで挑戦してほしい。 【サンプル画像】 ■Pressure's Piece:ブロックが崩壊するときに得られる爽快感が堪えられない
独特のあやしい雰囲気で、強烈な印象を受けたこのソフト。ソフト名が示す通り、「くもの巣」をテーマにしたアクションゲームだ。 プレイヤーキャラは、糸で上からぶら下がっている蜘蛛のアラクネさん。背景がきちんとしていて、「元機織の美女が、ギリシャの処女神アテネにその美貌を妬まれ、蜘蛛にさせられた」ということだ。アラクネさんは、いつもおなかがすいていて、目の前を飛び回るハチやチョウ、カエル、カタツムリを平らげていく。プレイヤーはアラクネさんを操作して、獲物に糸を吹きかけたり、ぶら下がっている糸で引っ掛けたりして動きを止め、うまく食べさせなければいけない。 ゲームの構成がしっかりしていて、世界に入りやすいのはもちろんだが、「SpidersWeb」はそれだけのゲームではない。第一のポイントは、画面がきれいなこと。虫嫌いの方には申し訳ないが、いろいろな色の虫や小動物が動き回る様子は実にリアルで、「美」を感じる。また、舞台はステージごとに変わり、森、川、夜の都会など、バラエティに富んでいる。特に背景のグラフィックが凝りに凝っている点は目を引く。例えば「川」は、渓谷の間の小さな川の流れのクローズアップで、水面には木の葉が浮かぶなど、とても美しい。 動きの楽しさもまた、「SpidersWeb」のウリである。主人公は蜘蛛だから、もちろん糸にぶら下がって動くのだが、この糸の伸ばし具合が、マウスポインタの位置と微妙な操作によって調節できる。そして、獲物の虫の種類によって動きが異なっているので、攻め方がちょっとずつ違ってくるなど、芸が細かい。マウスの左クリック(糸を吐く)、右クリック(糸でぶら下がる)という単純な操作だけで遊べるのもいい。 とにかく、目の前を文字通り“雲霞のごとく”飛び回るうるさい虫たちを、手当たり次第にしとめていく感覚が楽しい。複雑すぎるものよりも、単純でもセンスを感じさせるものが好きな筆者は思わずハマってしまった。 虫がダメな人には、残念ながらお勧めできないが、オリジナリティといえば、これ以上のものはない。まさに唯一無二の異常ワールドを体験したいあなたは、ぜひ試してほしい。 【サンプル画像】 ■SpidersWeb:口から吐く糸で、獲物の動きを止める! |
Balloon in the Sky | |
作 者 | 市川 祐次 さん |
対応OS | Windows 98/95 |
種 別 | フリーソフト |
Pressure's Piece | |
作 者 | Jany さん |
対応OS | Windows XP/Me/2000/98/95 |
種 別 | フリーソフト |
作者のホームページ | http://ph.cy-f.com/ |
SpidersWeb | |
作 者 | あらやん さん |
対応OS | WWindows Me/2000/98/95 |
種 別 | フリーソフト |
作者のホームページ | http://www.geocities.jp/arayanbb/ |
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