普段筆者は状況に応じて3種類のアーカイバを使い分けている。「いかにラクをしてアーカイブファイルを扱うか」「面倒なことをしなくてもすむように」と試行錯誤してきた結果が、場合による使い分けだ。
例えば、送られてきたアーカイブファイルの中を覗いたり、そのうちのひとつだけを取り出す、フォルダを切って全部展開するというようなシチュエーションでは「LHA Shell Extensions」に代表されるシェル拡張系を使う。コンテキストメニューでアーカイブファイルのリストが見え、しかもREADME.TXT等のドキュメントファイルを特別扱いしてくれて簡単に参照できる。アーカイブファイルを右ドラッグ&ドロップすれば、ファイル名のフォルダを作成してその中に展開してくれる。エクスプローラでファイル整理しながらのアーカイブファイル参照には、こうしたシェル拡張タイプが便利だ。
ただし、シェル拡張タイプではうまく処理できないケースもある。新規作成やファイル追加などはシェル拡張でもできるのだが、アーカイブ内部を整理するというような用途にはあまり向かない。
こういうときには「LHMelt」の出番になる。機能数が多いだけに多少悩むこともあったが、普段使う機能に限れば、そんなに多くはないからすぐ慣れた。初級者であっても、ほんの少しの初期設定さえすんでしまえばなんということはない。
3番目のアーカイバは、コマンドプロンプトの「LHA」と「PKZIP」だ。コマンドプロンプトを開いて、
> lha m foo.lzh *.bmp *.txt
などとやる。これは主に原稿と図版をメールで送信するために使う手。エクスプローラを使って、ドラッグ&ドロップ操作して、追加して、新規保存して……というのが面倒くさくて、作成してあるショートカットを使ってDOSプロンプトを開き、バッチファイル化されているコマンドをキーボードから一発実行するだけですんでしまう状態になっている。アーカイブにするBMPやTXTがあるフォルダが固定されているからこそできる技だ。
DOSプロンプト+LHAではWindowsのGUIもクソもないのだが、いちいちソフトを起動したりマウスを握らなくてもすむ分速いというメリットもある。なによりLHAのMコマンドを使ってオリジナルを残さないという指定が簡単にできる点がいい。アーカイブを作ってからいちいち削除するのが筆者には面倒なのだ。
……というわけで、いままでは解凍が“シェル拡張系”ソフト、作成・メンテが“メニュー系”、特定用途のみ“コマンドプロンプト+LHA”という使い方をしてきた。ただ、最近は「アークトゥルス」があるので、いっそすべてこっちに乗り換えようかと計画中である。展開専用の「アークトゥルス・フリー」だけでも、シェル拡張機能があるからかなり使いやすい。作成もできる「アークトゥルス・プロ」は、作者によるとまだユーザインタフェースが試行錯誤中らしい。早いところ完成バージョンが見たいものだ。
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