「土日にささっと!青色申告2011」は、青色申告に必要となる決算書などの帳簿類を作成するための(いわば集計用)ソフト。パッケージ(アーカイブ)には「土日にささっと!確定申告2011」も含まれ、共通の起動画面からどちらかを選んで起動する。青色申告書類の作成がすべて終わったら、その画面からも「土日にささっと!確定申告2011」を呼び出せるようになっている。
書類を作成する前に気をつけておきたいのが青色申告の種類について。実は、青色申告を行った人が受けられる税制上の優遇措置のうち、「青色申告特別控除」には65万円控除と10万円控除の2種類がある。当然、65万円控除の方が有利だが、こちらを受けるには複式簿記による帳簿づけと、それをもとにした申告決算書の提出が必要。一方、10万円控除は控除額が低くなる代わり、単式簿記の簡単な帳簿で済む。そして「土日にささっと!青色申告2011」は、10万円控除に対応したソフトだ。ソフトを選択する際の大きな要となるので、十分に注意してもらいたい。
インタフェースは「土日にささっと!確定申告」にも似た4ステップだが、当然その内容は異なる。ステップ1はすべての基本となるデータの入力。現金や預金の出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳の各帳簿があり、固定資産台帳以外はどれも家計簿風の一覧表形式で入力を行う(青色申告の象徴ともいえる複式簿記の帳簿がないことに注意。これが前述した控除額の差に関係する!)。
出納帳や売掛帳、買掛帳では、水道光熱費や通信費といった科目をドロップダウンリストから選択することが可能。出納帳の場合は現金出納帳や銀行口座別の帳簿を、売掛帳、買掛帳の場合は仕入先、支払先の帳簿を入力画面上で直ちに切り替えられる。帳簿の作成や削除などもメインメニューに戻らずに、その場で行うことが可能だ。
ステップ2の集計は、簡単にいってしまえばステップ1での入力結果を自動集計するための画面。入出金集計表、残高一覧表、総括集計表、月別総括集計表、総括集計表(前年比較)、消費税集計費用といったボタンが並び、すぐにプレビューと印刷を行える。
ステップ3では、いよいよ決算書の作成。商品の在庫がある場合や電気代などを事業用と家事用で按分する場合は、その前にここで設定できる。決算書の作成自体は、実際の書類そっくりの画面に入力してゆくだけ。入力エリアごとのタブ切り替え式になっていたり、その場でプレビューと印刷が可能ななっていたりするところなど、基本的なインタフェースは「土日にささっと!確定申告2011」と共通でわかりやすい。損益計算書などは事前に集計した結果から転記するだけなので、事前に帳簿をしっかりつけておけば、間違う心配はない。
最後の4ステップ目は、消費税申告書と確定申告書の作成。消費税申告書の作成はステップ数が多いが、ここも実際には事前に作成した書類からの転記。確定申告書の作成では、もちろん「土日にささっと!確定申告2011」に切り替えてのデータの取り込みとなる。
添付書類が多いだけに全体としてのステップ数も多いが、「親しみやすい画面」「全体の流れが明確」「帳簿作成が済んでいれば、あとはほとんどが転記(ボタンのクリック)」いった点が相まって、特に難しい感じはない。補助的な機能としては、パスワードロックやデータの自動/手動バックアップ、過年度データの取り込みなどがある。
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